※これは、私と一緒に暮らし始めたミーコとその子供たちとの2000年から2003年当時について綴ったエッセイです。過去記事は『猫家族(エッセイ)』のテーマで絞っていただけますと、簡単に検索できます。お時間がありましたら、是非お読みくださいニコニコ

 

  子猫達と一緒に暮らすようになって、私の目は子猫達に奪われっぱなしである。

  あれから何度か子猫達の性別を再確認するのだが、どうにもはっきりせず、どうして最初にあんなに確信を持って全員男の子だと思ったのかわからなくなってしまっていた。実は大変な勘違いをしていて、本当は全員女の子なのか?

  これは困った、とまず現実的に思った。だが次の瞬間にはもうにんまりしてしまった。女の子ならまた赤ちゃんを産むことが出来るのだ。この可愛い時期をまた楽しめるのだ。しかし、三匹が三匹ずつ産むと、全部で九匹の赤ちゃんである。親猫と合わせて十三匹。とてもじゃないが、普通の家で飼う数ではない。

  あまりの想像に再びおののきながら、ふと思った。ミーコにミルクにミカン。カミカミ以外はみんなミの音で始まっている。これでは、子猫は自分の名前が覚えにくいだろうな。そういえば、まだ名前を呼んでも自分のことだとわかっている気配はない。一対一なら自分の呼び名を覚えやすいだろうが、四匹もいるのだ。誰が呼ばれているのかを認識するのも大変なのに、名前まで紛らわしいのはどうかと思われた。これは改名を止むを得ない。

  うーん、唸っていると、傍をカミカミがなにやら独り言を言いながら通った。その声の甲高いこと。私にはとても真似できない。ミカンは太いはっきりした声で、ミューミューと鳴く。ミルクは割りと声が高いが、カミカミの声ほどではない。私はカミカミの名をキキと改めることに決めた。キーキーと高い声がその由来である。

  しかし、問題はミカンとミルクである。それぞれ似合いの可愛い名前ではあるが、ここはどうしても変えておく方が望ましい。うーんと、一晩悩み、知人に相談した。彼女は大変な猫好きで、猫を見ると顔つきが大変優しくなり光を放つ。ミルクの後ろ足の肉球を見ながら、彼女は言った。「そうか、男の子じゃなくて、女の子だったのね。まあ、綺麗な桜色。」この一言で決まりだった。ミルクはサクラとなり、サクラと来ればもう一匹はモモである。というわけで、ミカンはモモと呼ばれることになった。

 

私の指を甘嚙みしているキキ(幼名カミカミ(旧てぶくろ))。

隣で寛いでいるのはモモ(幼名ミカン)。

 

ストーブの前で毛玉に注目。

左からモモ、キキ、サクラ(幼名ミルク)。

 

毛玉にくいついたキキ。耳の後ろをかいているサクラ。

昔の写真で色が薄いのですが、桜色の肉球が見えますでしょうか。

私の手で顔が隠れていますが、手前がモモです。