ぺろぺろぺろ。
『ああ、生クリームってなんでこんなに美味しいんだろう。』
生クリームをのせたぼくの手をぺろぺろと舐めるアーシャ。
左手で生クリームをアーシャにあげて、右手でケーキを自分の口に運ぶ。
ロールケーキのスポンジはフォークで簡単に切ることができるほど、ふわふわとしてやわらかい。
たっぷりと敷き詰められている生クリームが切るときにぶわっと溢れる。
こんなにも、たっぷりと生クリームを食べていることが実感できるケーキが、他にあるだろうか?
このカフェのロールケーキは食べているときにパタンと倒れることがないのも魅力だ。
倒れないように、太めにカットされているんだ。
なんて贅沢なんだろう。
アーシャは夢中で生クリームを味わっていた。
幸せそうな顔をしている。
『優くん、生クリームって夢のような食べものだよね。
こんなに美味しい食べものがある世界に生まれて幸せだと思わない?』
「よかったね、アーシャ。」
『うん、ぼくの魂も喜んでいるよ。
だって、こんなに心地良い気持ちをぼくは味わっているんだから。』
「魂?」
『優くん、人にはいろいろな感情があるでしょ?』
「うん。」
『感情はね、大きく2種類に分けることができるってぼくは思っているんだよ。』
「2種類?」
『うん。それはね「心地良い」か「心地良くないか」だよ。
ポジティブな思考をしているとき、人は「心地良い」気持ちを感じる。
ネガティブな思考をしているとき、人は「心地悪い」気持ちを感じる。
「心地良い」気持ちのときというのはね、人生の幸せの流れにのっているんだよ。
逆に「心地悪い」気持ちのときはね、人生の幸せの流れから外れてしまっているんだよ。
「心地良い」か「心地悪い」かは
今の自分が人生の幸せの流れにのっているかを知るための指針になるんだ。
優くんは今、心地良い?』
「心地良いか心地悪いかってどうやってわかるの?」
『嫌な感じがしなければ、それは心地良いってことだよ。
心地良いとき、なんとなく、軽やかな感覚になる。
心地悪いとき、なんとなく、重たい感覚になる。』
ぼくは自分の気持ちを感じてみた。
今のぼくは、アーシャとカフェにいることが嬉しい。
ふわりと軽やかな感覚が内側に広がっていた。
「心地良いよ。今のぼくは心地良いって感じている。」
『じゃあ、優くんの魂も喜んでいるね。』
「ぼくの魂?」
『うん。
今、目に見えている優くんが、優くんの全てではないんだよ。』
「・・・魂ってなに?」
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明日はエピソード7-2 「魂って何?」です。