『ねぇ、優くん。』

 

 

ぼくはアーシャの隣で仰向けに寝転んでいた。

じりじりじり。

太陽の日差しが強くてあつい。

 

 

「なに?」

 

 

『この前、朝の散歩でうさぎが目の前を通り過ぎたの覚えている?』

 

 

「うん。覚えているよ。

アーシャより大きい、茶色のうさぎだったよね。

うさぎを見ることはなかなかないから、嬉しかったな。」

 

 

ぼくの家のあたりは自然が豊だから

鹿やうさぎやリスやハクビシンがたまに目撃される。

 

 

『この前、おかあしゃんと散歩しているときも見たんだよ。』

 

 

「そうなんだ。

そのうさぎ、この辺りに住んでいるのかもね。」

 

 

『おかあしゃんも同じこと言っていたよ。

 

ねぇねぇ、優くん。

うさぎからは、ぜったいうさぎが生まれて、

犬からは、ぜったい犬が生まれて、

人間からは、ぜったい人間が生まれるね。』

 

 

「ん?そ、そうだね。

どうしたの、急に?」

 

 

『なんか不思議だよね。

神秘的だと思わない?

 

例えば、野菜の種には、その野菜の全ての情報が詰まっている。

人参なら、人参になるための全ての情報が。

かぼちゃになるなら、かぼちゃになるための全ての情報が。

土に撒かれた種には、全ての情報がすでに詰まっているんだ。

到達する姿は決まっている。

 

うさぎも、犬も、人間も同じ。
お腹のなかに宿ったばかりのとき、ぼくらは種ほどの大きさしかない。

その種ほどの大きさしかない小さな存在に、全ての情報が詰まっている。

 

ぼくもうさぎのような長い耳が欲しいと思っても、

ぼくには、それは与えられない。

ぼくはぼくとして生まれて、それを受け入れ、全うするんだ。』

 

 

「もしかして・・・アーシャはうさぎになりたいの?」

 

 

『え!違うよ。』

 

 

そう言って小さく笑っているアーシャを見ながら、

ぼくは耳がうさぎくらい長くなったアーシャを想像した。

うん。かわいい。(親バカ)

あとでうさぎの耳の形をした、犬ようの帽子をネットで探そう。

 

 

『優くん、ぼく水飲んでくるね。』

 

 

テテテテ。

 

 

エピソード3つづく

 

 

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明日はエピソード3-2 「運命は変えられる?」です。