雨の日の戯言
雨の日は
遠くの誰かの胸の痛みが
さあさあ音をたててるようで
知ってる大事な涙の粒が
窓ガラスを絶え間なく伝うようで
走る車の水しぶきや
砂利でよどんだ水たまりにも
怒りや不安やため息が、隠れてじっと
こっちを見ている気がしてしまう
グレーの空が重たすぎて、冷たすぎて
ああ春なのに、とおもう。
桜が散れば、ツツジの密が香るし
ツツジが枯れれば、紫陽花が淡く色づく
ただそれだけのことだから
何も悲しんでなんかいない
去っていくから待ってというんじゃなくて
めぐり行くことに立ち尽くしているだけ
「何が悲しいの」と聞かれても
わかんない、悲しくはない、でもね、ただ
傍観者のままでいられないから
せめてもの救いにあたしは
この声で歌っていたいのだ
ねえ、たくさんの大切な人を傷つけて
しあわせになったよ
ごめんねは優しさじゃないこと
わかってるから、あたしは思いきり強く
地面を踏んで、笑って歩いたよ
そうして強くなったつもりだった
こんなやまない雨の日以外は
だから今はちょっとだけ、雨音に目をとじて
こころごと溶かして、泣いていよう。
愛するひとよ
おやすみなさい
今日、生まれて初めて折りたたみ傘を買いました
かおりより
遠くの誰かの胸の痛みが
さあさあ音をたててるようで
知ってる大事な涙の粒が
窓ガラスを絶え間なく伝うようで
走る車の水しぶきや
砂利でよどんだ水たまりにも
怒りや不安やため息が、隠れてじっと
こっちを見ている気がしてしまう
グレーの空が重たすぎて、冷たすぎて
ああ春なのに、とおもう。
桜が散れば、ツツジの密が香るし
ツツジが枯れれば、紫陽花が淡く色づく
ただそれだけのことだから
何も悲しんでなんかいない
去っていくから待ってというんじゃなくて
めぐり行くことに立ち尽くしているだけ
「何が悲しいの」と聞かれても
わかんない、悲しくはない、でもね、ただ
傍観者のままでいられないから
せめてもの救いにあたしは
この声で歌っていたいのだ
ねえ、たくさんの大切な人を傷つけて
しあわせになったよ
ごめんねは優しさじゃないこと
わかってるから、あたしは思いきり強く
地面を踏んで、笑って歩いたよ
そうして強くなったつもりだった
こんなやまない雨の日以外は
だから今はちょっとだけ、雨音に目をとじて
こころごと溶かして、泣いていよう。
愛するひとよ
おやすみなさい
今日、生まれて初めて折りたたみ傘を買いました
かおりより