山手線の独り言 | 引田香織オフィシャルブログ「おかえり 」Powered by Ameba

山手線の独り言

おかえりー☆

いまね、打ち合わせを終えて
電車に揺られているところ。

雨だからか
いつもよりちょっと人がすくない。

今日で9月も最後かー。

東京に来てから1年半経ったんやなぁ。

最初は
「山手線の内回りで新宿まで来るんだよ!」

とか説明されても
全然、意味がわからんくて

お仕事で、都内で待ち合わせをする前日は
緊張して眠れんかった。笑

実際、電車の方向を間違えて
心臓ストップ未遂もたくさんあったし

(間違えるのは今もたいして変わらんけど。笑)

なんか、人間っち知らないあいだに
どんどん変化するよね。

それが進化なのか、退化なのかは
自分では判断できんけど

とりあえず、あたしは
山手線という電車のシステムに

最初より、慣れた。


夜の街がどんどん
窓の外で過ぎ去っていく。

駅を守る蛍光灯の明るさが
仕事帰りの人たちの疲れを際だたせている。

みんな、おつかれさまって思う。


あたしの前の列に座ってる7人のうち
5人は、耳の穴にイヤフォンを埋めている。

携帯電話や小さなゲームと
器用に両立させて、空間を遮断している。

みんなどんな音を聴いてるんだろう。

どんな音に、疲れた心を任せてるんだろう。

あたしは、今すぐに
彼らのイヤフォンに入って歌いたいと思った。

でもそうできなくて、もどかしかった。

歌い続けることで
その作品を世の中に発信し続けることで

あたしはその可能性を
どんどん増やしたいんだと思う。

知らない誰かの毎日が
自分の歌声で、少しだけ安心に近づけたら。

偶然、目の前に座ったひとの体へ
すっと溶けこんでいく音楽の中に、自分がいられたら。

きっと「他人」という概念は弱くなるし
「仲間」という意識は強くなる。

みんな、生きている仲間。

「いっしょにがんばってこーね」って
自然に微笑みを交わせる仲間。


夢や理想で終わらせたくない。

もっともっと、この声を伝えていきたい。
喜びを連鎖させていきたい。

あたし、やっとスタート地点に
自分の足で、立った気がします。



かおりより