東京城址女子高生 1 (ハルタコミックス)/KADOKAWA
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ネットで流れてきた情報を見て、思わず「ありえね~!!」と叫んでしまった話題の作品、「東京城址女子高生」(99.999%くらいありえませんw)。漫画作品としては「北条太平記」以来の書評となります。
女子高生二人組がニコニコしながら自撮をしたり歩いたりしている表紙の絵を見て、「仲良し二人組が、東京の名所をのほほんと巡るだけの話だろうな」と、思っていました。しかし、その予想は良い意味で裏切られました。この作品の根底にあるのは「悲しさ、切なさ」なのです(ギャグ漫画の皮を被せてはありますが)。性格は良いが怒りっぽくモテない(?)広瀬あゆりと、容姿が良く勉強もできるがちょっと不思議ちゃん(いや相当の)で実は腹黒い策謀家の持田美音、歴史に詳しいが話がクドいためにウザがられるw数学男性教師の田辺先生の三人が、「東京城址散策部」を結成するのですが(田辺先生はウザいので、いつも置いてかれるwww)、広瀬あゆりは元々歴史等はこれっぽっちも興味が無い一般人で(勉強も出来なさ過ぎる)、ある事がきっかけで城跡好きな持田美音と出会います。そして驚くことに、美音と田辺は遺構が無く、さらに場所すらわからない城までも好む「超ガチ勢」だったのです。
この漫画の凄いのは、お城にまつわる悲話や戦術等の逸話を、現代の学生生活の生きづらさになぞらえ、うまく絡めて描いているところです。この発想はなかなかできません。また、城を巡る事の楽しさと共に、その切なさもうまく描いています(周りの無関心さ等)。そして、城跡巡り好きならわかる、珠玉のセリフの数々(笑)「何が楽しいの?」「石垣が残ってるだけですごいと思うようになっちゃったわ・・・」「石碑があるだけいい・・・のか」等々。なにより素晴らしいのが、城跡や寺社などの風景が描かれたコマと、彼女達が城跡を眺めるだけの台詞無しのコマ。まるで自分も城跡にいるような、なんとも幸せな気分になります。自分が訪れた事がある城はその風景を思い出しながら、自分が訪れた事がない城は訪問した際に同じ風景を見つける楽しみがあります。この1巻は文句のつけ所が無い満点の出来です。2巻以降このクオリティで続けられるのかが心配になるくらいですが、今後も応援を続けたいと思います。