「関宿合戦」~簗田晴助紀行~
二章 3.「幸手城主・一色直朝」
埼玉県久喜市。古河公方と縁の深い町です。
甘棠院は古河公方足利晴氏の祖父政氏が、子の高基との争いに敗れ、隠棲した地です。
政氏の子といわれる貞厳が開いたと云われ、城館として使われた跡が残されています。
その貞厳の絵図を描いたとされるのが、幸手城主の一色直朝です。古河公方の重臣であり、そして画家や歌人として卓越した才覚を持った人物です。
栃木県宇都宮市。
下野宇都宮氏は古河公方との関わりが深く、足利政氏と高基の争いでは、高基の妻の実家である事から、高基は一時、宇都宮城へと退去しました。
天文十八年、宇都宮尚綱が那須氏との争いで戦死します。古河公方の背後を支える宇都宮氏の衰退により、晴助と直朝はさらなる苦境へと立たされていくのです。
甘棠院
JR「久喜」下車 徒歩15分
宇都宮城址公園
JR「宇都宮」からバス「宇都宮城址公園入口」下車 徒歩1分