妄想性障害と認知症のご主人

ピンピンコロリと

自宅で逝きました。

 

それは、
備えられていた夜

であったように思います。

 

洗面器に吐血するという

最期でしたが。

 

幻覚を見ながらでも、

終わりまで

 

お金を大切にしていました。

やはり一番大切なもの

だったのでしょう。

 

畳をはぐって

床板をはぎ

 

そこから手を地面に下ろして

土を掘り

 

通帳を入れた四角い缶が

埋まるほど掘って

 

地面の中に

隠していたのです。

 

缶の蓋の所には

ビニールテープを巻き

 

四角い缶をさらに

ナイロン袋に入れて

 

埋めていました。

 

最期までそれが気になって

何度も掘りだしてみては

 

そこにあることを

確認したかったようです。

 

埋めては掘っての

繰り返しでした。

ほ~~。

 

 

 

 

「1タラントを銀行に預けず

土の中に埋める。」と

いう話(Mt2518)は、

 

案外現実的なことだったのだなと

思わされています。

 

ん。