乳幼児が見る世界はぼやけている?







カリフォルニア大学サンディエゴ校乳幼児視覚研究所のカレン・ドブキンス所長によれば、

乳幼児が見る世界はすべてが比較的ぼやけているといいます。





生まれたての赤ちゃんの視力は0.1程度。

それが5~6週間で、動くものを目で追えるようになります。




4~5ヶ月ごろになるとたいていの子供は両目で1つのモノを認識できるようになります。

色が分かるようになるのはその後です。



2歳ごろには、視力は0.6程度にまで発達します。





15年ノルウェーのオスロ大学の研究者らの研究によれば、生後23日の赤ちゃんは約30センチの距離なら人間の顔を認識でき、表情も分かるといいます。



そして60センチ以上になるとぼやけて見えます。



「ただし見えているだけであって、その表情の意味を理解しているわけではない」と、

スウェイン・マグネッセン名誉教授は言います。






視覚の仕組みは、目が周囲の世界から入る情報を捉えて、その情報を脳幹の上にある視床という部位に送ります。


その情報が視床から視覚野に伝えられ、そこで処理されます。


視覚は五感の中で最も発達が遅いとされています。




大人の目では、細部と色彩を見分けるのに必要な光受容細胞が眼球の中心窩に集まっていますが、赤ちゃんの場合は眼球全体に広がっています。



生後数ヶ月のうちに、これらの細胞は眼球の中心部に集まり、

12年後には大人と同じようになります。


しかし、乳幼児の光受容細胞自体がまだ発達しておらず、光を十分に捉えることができません。



そのため、色彩や細部が充分でなく、

「すべての色が弱まって見える」といいます。




赤ちゃんにとって見やすい色は、色彩のはっきりとした黒と白です。


赤ちゃんのおもちゃを選ぶなら模様のはっきりした、黒と白のものを選ぶといいでしょう。



そして、実は1番見にくい色は青色といわれています。




青色のおもちゃやベビー服はかわいいですが、残念ながら赤ちゃんにそのかわいさはわからないということです。







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