退院前などに指導を受ける日常生活での
注意点について記録していきます。
※いただいた資料を参考に記録しています。
水分管理
起立時などの血圧が低下しやすい瞬間など、
心臓がそれに合わせて血圧を一定に保つよう
に作用する。
VAD装着者はVADの回転数が一定のため、
このような時に血圧低下、浮遊感などが
起きる事がある。
さらに脱水によって循環血液量の低下がみら
れるとこの症状が出やすくなる。
そのため外出時などでも水分を携帯し、
定期的に水分補給を行って脱水にならない
ように気をつける。
リハビリや運動後、入浴後、気温の高い日は
とくに注意が必要。
※私の場合は生理周期(生理開始後の利尿期)
でも低流量傾向の時あり/とくに夏季
個人差はあるものの、水分制限がない場合は
最低2000ml/日以上を目標に摂取する。
※夏季などは3000ml/日(←私の場合)
🚶体重管理🚶♀️
大幅な体重変化はVADの管理に影響する
可能性がある。定期的に体重測定を行って
体重を一定に保つように注意する。
体型が変化するとドライブライン貫通部が
悪化する可能性がある。
食べ過ぎに注意し適正量の食事を摂ること。
甘いものや脂質の多い食事を避け、バランス
良く食べる事が大切!
※ポンプを植え込む位置によっては術後に
食欲が低下する場合がある。時間経過と
共に解消されていくことがほとんど。
↓
1回の食事量を減らして食事の回数を
増やしたり、補助栄養などを活用して
必要な栄養を摂るようにする。
🏃動作・運動🏃♀️
VAD装着術は胸骨を切開するため、
ある程度の強度を得られるまでに
術後3ヶ月ほどかかる。
この期間は腕を開く、身体をねじる、
片手で重いものを持つことはできない。
また、ドライブライン周囲を愛護する
行動が必要となり、
・身体をねじらない
・腹圧をかけない/屈む姿勢を避ける
・ドライブラインを引っ掛けない
など、上記の事を注意しながら生活する。
継続した運動は心肺機能を高める上でも重要
→可能な範囲での活動拡大は推奨される。
注:相手との接触の多いスポーツは機器の
故障やドライブライントラブル、出血の
危険性があるため避ける。
スポーツなどを行う際は医師に相談すること
ウォーキングや下肢の筋トレなどを積極的に
取り入れる事によって心肺機能の向上・維持
や体重管理にも繋がる。


病院外では人混みや段差があり障害が多い
ため、より一層の注意を必要とする。
☆公共交通機関や人混みの中では機器に
注意しながら行動する。
☆外出時に持ち歩くものとして
予備システムコントローラー・
予備バッテリー&クリップ×2
は必ず準備し、忘れない。
※アラーム時や緊急時にすぐ対応できるようにする。
※VADバッグや予備バッグに患者カードを
つけておく。
☆雨の日の外出はできるだけ控え、
出かける際は機器が濡れないようにする。
※カッパなどを活用する
☆常にVAD筆記&テストに合格した介助者や
講義を受けたサポーターと共に行動する。
※単独行動禁止


☆運転禁止(自転車、自動車、オートバイ)
⇩
運転中の突然の機器トラブルの発生、
脳血管障害の発生、
不整脈などによる意識消失など、
重大な事故につながる可能性がある。
※エアバッグのある助手席に座らない
※シートベルトの着用は可
※ドアでドライブラインを挟まないよう注意
☆旅行
飛行機・旅客船を除くその他の公共交通機関
や自家用車での旅行が可能。
原則として目的地は通院先のVAD管理病院
から2時間以内に移動できる場所とする。
宿泊先に3Pコンセントが設置されているか
確認しておく。
非常時に備え予備システムコントローラー、
予備バッテリーなどのバックアップ機器の
携帯をする。バッテリー駆動、モバイル電源
ユニット駆動にするために必要な機器の
忘れ物がないように注意する。
※旅行の際には事前に医師との十分な
相談が必要
☆嗜好品
原則禁煙・禁酒
※喫煙は血圧や動脈硬化に影響を与える。
飲酒は泥酔によるトラブル、内服飲み忘れ、
抗凝固療法が不安定になる可能性が
あるため。
☆歯の手入れ
歯周病や虫歯による歯根部の炎症が存在する
場合、血行性感染の発生に関与する場合が
ある。
日頃から歯磨きやうがいなど、口腔内を清潔
に保つように心掛ける。
※3ヶ月に1度は歯科に定期受診を!
☆就学・就労
VAD装着後、条件がそろえば社会復帰
(就学・就労)をする事が可能となる。
時期:
施術後6ヶ月を目安に経過した
段階で条件が整い、医師の許可がでたら
社会復帰に向けての準備を始める。
条件:※各病院によって異なります
▪全身状態が安定している
▪抗凝固療法が安定している
▪ドライブライン刺入部の問題がない
▪VADの駆動が安定&アラームが鳴らない
▪社会復帰のための体力が回復している
▪退院後の生活を通じて、緊急時の対応を
第三者に依頼することについて患者、家族、
親族も含めて話し合いをする→その上で
自己責任であることを理解し緊急時の対応
を第三者のサポーターが最大限行っても
後遺症を残す、あるいは死亡したとしても
サポーターや職場・学校などに
責任を負わせないことを同意する。
▪職場・学校関係者はVADについてや
社会復帰について、サポーターの必要性・
役割についてなどをよく理解している
▪職場・学校の環境が整っている↓
※1名以上複数のサポーターがいること
※サポーターは講義を受講(し合格)している
※職場・学校環境調査を行う
・緊急時の搬送経路の確認
・家族とサポーターとの引き継ぎ
・職場や学校での行動範囲や姿勢などの確認
・サポーターにしてもらう内容やその他注意点の確認
など…
その他にも通勤・通学は誰が行うのか、
事務的な部署への移動が可能か、短時間
勤務ができるのか…などの調整が必要。
以上が日常生活で気をつけなければならない
主な項目です。
病院や患者さんの状態により変わってくる
ため、参考程度で見ていただけたら
よいかと思います

※薬剤管理・栄養管理については別ブログで
記載しています。
『栄養・薬剤指導について』参照