妻と孫娘は「ライン」つながりの様で、毎晩「お休みなさい」の連絡があるそうです。

 

 ある時、連日猛暑になったので、妻から「まめに水分補給をしてくださいね」とラインしたら、孫娘から「こまめにでしょう!と返事が返ってきたようです。

 

 妻は旧人類、孫は新人類。

 やることも、覚えることもギャップがあるはず。

 そこで、どちらが正しいのか調べてみることにしました。

 

まめ(に)

 1955年(昭和30年)版の『岩波書店広辞苑(新村出編)』では『まめ(忠実)』として、

①     真心があること。まじめ。まこと。信実。誠実。本気。

②     苦労をいとわずよく勤め働くこと。達者。息災。

と掲載されるも、「こまめ」の掲載はなし。

 

 

 

 また、1966年(昭和41年)1月20日109版発行の『角川国語辞典改訂版(武田裕吉・久松潜一編)』では『まめ(忠実)』として、

①     まじめ。

②     かげひなたなく働くこと。

③     健康。

④     きちょうめん。

と掲載されるも同じく「こまめ」の掲載はなし。

 

 まめの例文

「これからもまめに連絡取ろうね。」

まめに様子を見に行く」

「今年もまめに暮らしています」


 

こまめ(に)

 意味は細かいところまで十分気を配って、よく働くこと。

 「まめ」という語に、さらにこまやかであることを表わす接頭語「小=こ」を加えることで「まめ」がさらにこまやかであることを表わすことができ、「短い時間で定期的に」のような意味あいとなります。

 

 こまめの例文

こまめに水分補給をして下さい」

こまめに世話を焼く」

こまめに手紙を書く」

こまめに部屋の掃除をする」

こまめに連絡を取る」

 

「まめ」を漢字で書くと「忠実」ならば、「こまめ」は「小忠実」、まめまめしいは「忠実忠実」となるのでしょうか

 

 日本語は不思議なもので「汚い」というより、「小汚い」「薄汚い」と言ったほうがより汚く感じ、「こざっぱり」「小ぎれい」「こぢんまり」なども同様に、「よりさっぱり」、「よりきれい」、「より小さくまとまっている」と感じられます。「まめ」を「こまめ」にすると細やかさが伝わってきます。

 

 「こまめ」がいつ頃から辞書に載ったのかは不明ですが、この二人のメールでのやり取りの判定はどちらも正しいように思われます。

 旧人類の人は「まめに」を、新人類の人は「こまめに」を常用しているようですね。

 あなたは「まめ」派それとも「こまめ」派ですか?

 

 

 

 

話題にのぼったこまめな水分補給について

■段階ごとの脱水症状のサインとは

 水は血液では90%、脳では80%、皮膚や筋肉では70%、脂肪では10~30%占めているそうで、男性は女性より水分量が多く、痩せ型の人の方が肥満気味の人より水分量の割合が多いそうです。

 成人の平均的な体に占める水分量はおよそ60%と言われ、新生児では約90%、高齢者では約50%と加齢と共に減少するそうです。

 

 体に占める水分量が減少すると下記のような症状が現れるようです。

 

〇2%失われると運動機能が低下。

〇3%を超えると頭がぼんやりして食欲不振に。

〇4%失われると体温が上昇。

〇5%に達すると頭痛や眩暈(めまい)といった脱水症状が発症。

〇8%を超えると痙攣。

〇10%以上の水分を失うと死に至るケースも生じます。

 

 喉が渇いたという状態になったときには既に身体からおよそ2%の水分が失われている時だそうで、気候や活動内容に合わせて調整する必要があるものの、可能であれば「10~20分」ごとに「こまめに」水分を1口、2口くらい飲むのが理想となります。

 

 

■コップ1杯分(200~250ml)の水を飲むべきタイミング

 水を飲むタイミングは一般的に、起床時、朝食時、昼食時、夕食時、入浴前・入浴後、就寝前となりますが、特に、水分が失われやすい入浴前後や、就寝前に飲んでおくと水分不足を予防できるようです。

 

 運動する場合は、開始20分前に1杯摂取し、15分おきくらいに100~150mlを摂取。運動後にも1杯は水分を補給しておくと良いようです。

 

 このように、計画的に飲む時間を決めて習慣にしておくと無理なく実践できますね。

 

 

■必要な水分量

 体重に左右されるものの、運動をあまりしない成人の1日の適切摂取量はおよそ2L~3Lだと言われています。

 成人の場合だと体重1gに対して必要な水分量は40~50mlで、体重が60kgくらいなら最低でも3Lは必要ということになります。

 

 ただし、一般的に、食事から平均で1~1.5kgの水分を摂取しているそうなので、この水分量を差し引いた残りの量を意識して摂取する必要があることになります。

ただし、運動する日や暑い日には普段よりも多く補給した方がいいでしょう。 

 

■冷水より常温の水を

 冷たい飲み物は胃腸を通過する速度が速く、吸収速度も常温の水より早くなり、身体への負担が大きくなるので、普段の水分補給は常温の方がお勧め。

 もし、冷蔵庫から取り出した飲み物ならば、少し温度を戻してから飲むほうが身体には良いようです。

 

■水分の過剰摂取にはご注意を

 胃が吸収できる1回の水分量は通常サイズのコップ1杯分の200~250mlが限度になります。一気に大量に飲んでも身体に吸収されにくく、胃に負担が掛かり、体液が薄くなり体調を崩す原因になりますので、過剰摂取や一度に大量の水分を摂取する行為は危険行為となります。

 

■日常生活の水分補給なら「水道水」で十分

 日本の水道水は厳しい水質基準をクリアしているので、そのままでも安心して飲むことができますが、「ミネラルウォーター」や「電解水素水」もお勧めです。

 しかし「お茶」には利尿作用のあるカフェインが入っているため、飲み過ぎだけは気を付けてください。

 

■運動時ならスポーツドリンク

 運動時は効率良く水分補給できる「スポーツドリンク」がお勧め。

 運動時の発汗によって塩分(ナトリウム)と糖分も失われてしまうので、塩分と糖分も含まれているスポーツドリンクは運動時の水分補給・エネルギー補給に最適となります。

 ただし、糖分が多く含まれているので、糖尿病を患っている人は飲み過ぎないように注意しましょう。

 

 ■脱水症になったときは経口補水液

 普段の水分補給には不向きですが、脱水の際に失われた水分や電解質(塩分など)を素早く補給できる飲料で、中度の脱水症状の水分補給に適しています。

 

 猛暑の夏、こまめに水分を補給して乗り越えましょう。