睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走


 1年12ヶ月の名称には、1月、2月・・12月という以外に上に掲げたような呼び名があります。これを和風月名と言います。


 701年大宝律令(刑法にあたる6巻の「律(りつ)」はほぼ唐律をそのまま導入しているが、現代の行政法および民法などにあたる11巻の「令(りょう)」は日本社会の実情に則して改変されている。)が制定されると「祭」は繰り上げて9月に行うか、繰り下げて11月に行ったため、10月(陽暦では大体11月初めから12月初め)は祭りが少ない月、すなわち神様が出張らない「神無月」となったようです。

 

 

 日本の八百万(やおよろず)の神々が、神様の祭りのない休日であるこの月に出雲大社に集まると考えられて来ました。この神無月は雷のない月の意とも、酒をかもす醸成月(かみなしづき)の意ともいわれ、神が参集する出雲国では「神在月」と云われるようになりました。

 
 我々は悩むときに[神様、仏様]と唱えますが、10月に神様がいなくなった時、我々の願いを聞き届けてくれる神様はいるのでしょうか?ちょっと心配になりますよね。

 
 大丈夫です!日本全国から神様がみないなくなってしまうと不用心ですから一人だけ留守番として残る神様がいます。この神様は恵比寿様だといわれています。

 ひとりぼっちで留守番をする可愛そうな恵比寿様を慰めるために、この月には恵比須講が行われるようです。たった一人、大切にされる恵比寿様にとっては、10月は意外に楽しい月かもしれませね。

 

 

  そうそう、出雲地方のほかに神在月とする地域が1ヶ所あります。

 

 それは諏訪大社(出雲の大国主の次男である建御名方命(たけみなかたのみこと)が、国譲りに反対し、武甕槌命(タケミカヅチ)と相撲をしたが負けてしまいました。そこで建御名方命は諏訪まで逃れ、その地で王国を築いたといいます。諏訪大社の起源は、この神話にあるといわれています。)の周辺です。
 
 伝承によれば、かつて諏訪大社の祭神であった「諏訪明神」があまりにも大きな体であったため、それに驚いた出雲に集まった神々が、気遣って「諏訪明神に限っては、出雲にわざわざ出向かずとも良い」ということになり、神無月にも諏訪大社に神が有ることから神在月とされています。
 
 神在月のいまします出雲の語源は、
①「八雲立つ出雲」から連想される雲の源泉とするもの、
②母神イザナミの神陵地があることから、「母から生み出された」地の「出母」とするもの、
③出鉄(いづもの)とするもの
など諸説があるようだ。
 

 出雲大社にお祭りされている大国主大神様は「縁結び」の神様して古くから信仰されていますが、これは単に男女の縁結びだけでなく、人々を取り巻くあらゆる繋がりの縁のことをいい、広く人々と幸せのご縁を結んで下さる、「縁結びの神様」となっています。