弓削太郎監督のデビュー作「女は抵抗する」を鑑賞。
シネマヴェーラで「背広の忍者」、ラピュタで「与太郎戦記」を観て以来、私の中で弓削映画熱が最高潮に。そこで勢いで「女は抵抗する」のDVDを購入。
1960年当時のロカビリーの熱気と、お洒落な雰囲気を存分に楽しめる作品。この熱気と洒落っ気を余すところなく映像化できるのは大映だけだ。大映は最高だ。
若手脇役総出演なのも嬉しい。ワックワクするね。サックス奏者の花野富夫くん、格好いい。この方の上品な雰囲気とよく似合っていて、うーん、最高としか言えない。
向かって右が花野富夫。左は大川修。中央は山下敬二郎(東宝)。派手な色のシャツとウエスタンハットがよく似合う!この花野富夫さん好きだわ。
平尾昌晃のバンドメンバーの役で黒須光彦、森一夫、仲村隆、佐山真次も出演(全員ノンクレジット)。
若尾あややに被っているけど、森一夫も後ろに居ます。
この四人が登場したとき思わず「私が好きな俳優ばっかりだ!」と喜びのあまり叫んでしまったけど、よくよく考えたら私は大映の俳優ならだいたい誰にでも興奮するのだから、「私が好きな俳優ばっかりだ!」は別に今回に限ったことでは無かった。でもそれにしたって、これは素晴らしいメンバーだわ。本当は勉強していたいのだけど、平尾昌晃に無理矢理誘われたので仕方なくバンドやってます、感。
私が今まで観た中では、これが仲村隆の一番最初の映画だ。この仲村隆はちょっとパーマかけてるのかな?仲村隆のパーマは「嘘」だけじゃなかったんだ!佐山真次はいつも通りに短髪なのに、なぜ仲村隆はくるくるヘアなんだろう。
今回も給仕役の伊奈久男。
「夜はいじわる」のときにも思ったけど、この頃の久男ちゃん、むっちむちやな。襟のところに頬っぺたが乗っかりそうな勢い!むっちむち。
グリーンガイズ(?)のメンバーもダークなスーツで決め込んでいて、めちゃくちゃ格好良いです。演奏シーンもかなりの尺を使っているので、見応えあります。月田昌也、入江洋佑、渡辺鉄弥、森矢雄二のファンは、これ観て失神するんじゃないかと心配になる。私は仲村隆ファンなので大丈夫です。ちなみに雄二がドラム、昌也がピアノ、鉄弥がコントラバス、洋佑がギターです。
この映画を観た感想として、日本の芸能史は1960年に隆盛を極めてしまったのだな、と感じた。技術的な面はどうだか知らないけど、少なくともその熱気においてはこの頃を上回ることはもう出来ないのではないかな。その熱い芸能史の一端を今の時代の私たちにも見せてくれる貴重な作品。