さて、このブログも順調にアクセス伸びてきて、コメントもついてかなりいい感じになっています。

 

自分のために、「仕事で使う技術の備忘録」としての目的がメインで始めたんだけど、もう1つの大きな理由は、ダメダメな演技レッスンやワークショップに通い続けて、青春をムダにしている人に、目を覚まして欲しいから。

 

 

教えているものはたいてい「演技技術」ではない!

 

たいていの演技レッスンでは、演技がうまくなることは決してない!なぜか?!それは、指導者が「プロの演技」が分かってないから。

 

プロの現場で、どのようなことが要求され、どのようなことをダメ出しされ、どのようなことが賞賛されるのか?そういうことわからないで、なんで演技教えられるかなあ。

 

映画監督さんもその多くは、「自分の画」にだけ興味があって、「どうすれば役者にそれをさせられるか?」っていう演技技術には興味がない。

 

オレ、明確に具体的に「こうして欲しい」と要求するよ。あんたたちプロなんだからそれに応えてね。

 

って感じ。どうやったらそれができるか?の方は当然知らないし興味もない。

 

で、現場で俳優がうまく演技できないとムダなテイクがどんどん重なって行ったり、もうあきらめて編集でごまかしたりする。ワークショップでは、もちろんできなければ、即、あっさり見限るね。決して「指導育成」はできない。

 

 

ちまたの演技レッスンも、山ほど行ったけど、たいていは「プロ崩れ」の人が教えている。中にはプロ俳優の経験が全くない人が、演技教えてたりする。それってどういうこと?詐欺?口からでまかせ?よくそれで高い金取れるなと思うね。

 

ちなみに今までで一番酷かったのは、ある劇団のワークショップで、ただずっと「外郎売り」をやるだけ・・・。すごいでしょ?演技レッスンで延々「外郎売り」だよ!もちろん、何らかの向上があるかもしれんけど、そんなの自分で家でやればいい。ものすごいうまくなったって、「外郎売りコンテスト」で優勝できるだけ。ドラマや映画の演技にはほぼ何の役にも立たない。

 

そういう見当違いのレッスンがほとんどなんだよなあ。シアターゲームとかインプロビゼーションとかも、まあそれ自体は面白いかもしれないけど、「あらかじめ決められた台本のセリフを、まるでそこで生きてるように自然に話す」ってことには、何の役にも立たんでしょ?よくそんなことやって、「これであなたも演技上達!」がうたえるよなあ。

 

メソッドとかシステムとか、標榜しているレッスンに至っては、まさに最悪の極致と断言できる。そこで教えているものは、「メソッド」や「システム」であって、「自然な演技」ではない。だいたいそこの指導者は演技の仕事なんてやったことありませーんって人がほとんど。

 

以前、あの竹野内豊さんも、演技を習ってないというコンプレックスがずっとあって、ニューヨークの超有名な某アクターズスタジオにメソッド習いに行って、動物にならされたり、ヘタクソな素人女優と組まされて訳の分からん悩むだけの芝居させられたりしてたのをテレビで見たことがある。

 

最初は、竹野内さんも真剣にその指導者の言うことを聞いていたんだけど、途中からちょっと「おや、これって違うんじゃねえ?」って感じになって、最後日本に帰るってときには、「あんたもこんな変なことやってて大変だねえ」とあきれる感じになっていた。

 

その人達って、「演技の仕事」をやったことないんですよ!竹野内さんの方が、ずっと現場に立って毎日毎日「正解」を創り出して仕事してきたんですよ。その人達がいくら「こっちが歴史があって、権威があって、本物の演技です」って言ってても、「役に立たない」んだから、そんなの全く信じる必要ないんです。

 

竹野内さん、最後は、「やっぱり自分がこれまでやってきたやり方で良かったんだ」ってスッキリしてましたね。その後のご活躍は言うまでもありません。そのあと演技が良くなったのは、自分のやり方を信じることができるようになり迷いが吹っ切れたから。決してアホメソッドのおかげではありません。

 

まあベテランがメソッド学ぶ効果って、それくらいだよね。新人は百害あって・・・って感じだけど。

 

 

ってなんでこんなに熱くなるかは、もうお分かりですね。自分もそういうムダなメソッドの訓練に、貴重な青春の時間とたくさんの自分の金を費やしてしまったから。

 

 

料理を作ったこともない人から料理を学べますか?家を建てたこともない人から大工仕事を学べますか?「演技レッスン」というジャンルだけが、これまでその上手い下手の指標が明確でなかったから、そういう魑魅魍魎が跋扈する世界でした。

 

「分かっている人」からのみ、演技を学びましょう。ど素人から学んでも、確かにそこは同じような人たちで傷をなめあって居心地いいかもしれませんが。そこからはどこにもいくことはできません。

 

 

事務所レッスンはマネージャーがやるべき

あと、芸能事務所内で演技レッスンやる所も増えてきたけど、そういうときは、えらい先生呼ばないで、マネージャー自身で「既存の商業台本」使ってやるべき。(例外は、現役のテレビディレクター呼んでやる”事務所内”レッスン。でもあれって特定事務所との癒着だよなあ、ここだけの話)

 

そうすれば、俳優は「これできるようになれば、売り込んでもらえる!」って目標定まって真剣になるし、変なクセも付かない。

 

いろんな話聞いてると、「えらい先生」が変なわけ分からん「オリジナル台本」使って、ピント外れのダメ出しだけして「演技」を指導してない事務所レッスンばかりなんだよね。そういうのって、俳優に「謎」と「混乱」だけ与えてどんどん自信なくさせるだけ。自分のとこの商品の価値を貶めていってどうすんだっての。

 

演技というジャンルでは、ダメ出しだけでは上達は絶対にしない!もしうまい子がいたら、その子は元からうまいってだけだ。

 

「今やってるドラマ」とか「有名な映画」とかの台本使えば、自分がそれができるレベルにあるかどうかがハッキリして、モチベーションが出まくる。時間も取れないんだから、あとは各自の努力に任せるべき。

 

マネージャーは誰よりも現場に行って、生の演技を観ているんだから「演技指導」はできなくても、演技の優劣は敏感に分かる。ある役者ができるようになれば、それを認めて引き上げてやればいいし、ダメならそれを伝えて努力させればいい。

 

昔はどこの事務所でも演技は「変なクセ」が付くって訓練させなかったらしいけど、いまは「現場で育てる」ってのが難しい時代。全体の演技レベルが上がって、新人でもダメなら即「不適合」って烙印押されてもう使えなくなるから、ホント大変な時代にはなったよね。(まるで人ごとのようだけど・・・)

 

 

とにかく、役に立たない「似非演技レッスン」には見切りを付けて、分かっている人からだけ学べ!たとえ、もし演技理論が分かっていなくても、その指導者自身が演技がうまい”現役のプロ俳優”なら、教えることはできる。習字を習うように、その人が「お手本」を示してそれをなぞればいいんだから。基本的なことが理解できれば、後は自分で応用できるようになるはず。

 

そう、で、要するにその「基本的なこと」を分かりやすくまとめたものこそ、このブログで独断と偏見で熱く解説してる「プロの演技 7つの基本フォーム」なんですよ!

 

 

……もちろん、僕が見つけ出したもんじゃないけどね。

ホントでもこれこそが撮影現場で「求められているもの」であり、そこらの「自称演技講師」からは決して教わることのできない「プロの演技の基本」だ!