J
車で翔さんをマンションの前まで送って出社した。
勿論、行ってきますのキスも忘れずに💖
あちこち身体が痛かったけど(恥)、その痛みすら嬉しかった。
翔さんのマンションは俺の事務所から東に3丁程行った所だった。
案外生活圏内が一緒だったのに、会わない時は会わないもんだなぁー、なんて今なら暢気にふりかえったりして。
「今日はここに帰ってきてくれると嬉しい。」
「いいの?なるべく早く帰るね!」
24時間前の自分にとっては夢みたいな会話だった。
S
夜、ここへ帰ってきてと言ったはいいけど、潤のあのオシャレな部屋と自分の部屋を見比べて少々落ち込んでいる。
俺の部屋は必要なもの以外物が無い、言いようによってはシンプルな部屋。
まぁ、今更そんな所で見栄を張った所で、潤はそんな事100も承知か(笑)
ただ.........、あのバカでかいベッド。
マジで誰か相手が居たんじゃないかと不安になった。
理由を聞いて嬉しくなったけど、罪悪感も襲ってきた。
何事にも真面目で素直。時に天然な潤の性格そのものだ。
もう寂しい思いはさせないからな。
潤が帰ってくる間に掃除をして洗濯をして。
俺もベッド買い替えようかなー。
知り合いのお店に頼んで料理をデリバリーした。
.........。
仕事をする気にもなれず、立ったり座ったり、訳もなくキャビネットに入ってる食器を片っ端から洗ったり、ソワソワしながら潤の帰りを待った。
『マンションに着いたよ』
潤からのLINEで急いでエントランスに行く。
「おかえり」
「ただいま」
軽くハグをして迎える。
「忙しかった?」「ううん、それ程でも」なんて話しながらエレベーターに乗る。部屋までの道のりが長かった。
部屋のドアを閉めて鍵をかけると、まずはお帰りのキス。
「潤、好きだよ、愛してる」
「翔さん.........」
もう1度キス.........。
っと危ないこの流れ。
「入って!知り合いのお店からデリバリー頼んだんだ。」
「ホント?嬉しい。お邪魔します」
「温めておくから風呂行く?」
「いいの?翔さん、大丈夫?俺、やろうか?」
「レンチン位出来るって!」
ハハハそうだねーなんて笑いながらバスルームに行った。
俺だって潤に新品の下着位用意出来るんだぞ!
.........家にあったストックの物だけど。
Tシャツとスウェットは俺のだけどな。
風呂から上がった潤が「着替え、ありがとう」って言ってくれた。
「Tシャツが翔さんの匂い!柔軟剤、あの頃のまま変わってないね」
「潤が選んだやつだからな。変える必要ないしこのボトルで潤を思い出してた(笑)」
「ふふふっ、どんだけ俺の事好きなのさ!」
そう言われたので、ガッシリと抱きしめて濃厚なキスをした。
「こんだけ。まっ、まだ足りないけど(笑)」
「うん、全然俺の事好きだって感じれないもん(笑)」
「おー、じゃあ後でこれでもかってわからせてやる!」
2人でビールで乾杯
美味しい、美味しいと2人でいっぱい食べていっぱい話した。
「ねぇねぇ翔さん、1回やってみたかった事あるんだけど。」
「ん?何?」
潤は料理を箸でつまんで
「はい翔さん、あ~ん?」
と口元に持ってきた。
「あ~ん。ん~、美味い。どれどれ、潤もあ~ん?」
「あ~ん。んー、2倍美味しい!」
.................。
「気が済んだ?」
「ん~、楽しい!」
「やった事なかったっけ?」
「うん、多分!」
そう言ってニッコリ笑う。
こんな事でそんなに楽しんでくれるのなら毎食でもやるけど(笑)
しっかり者かと思えば、こんなくだらない事を願ったり。
やっぱり俺の恋人は奥が深い。
好きだよ!愛してる!
この言葉もあんまり言うと安っぽくなるかな.........。
『何回言われたって嬉しい以外ないよ』
潤ならきっとこう言うだろう。