プルル、プルル、プルル

「もしもし」

『あ、翔ちゃん?』

「相葉くん、どうしたの?電話なんて珍しいね」

『翔ちゃん、会社?』

「うん、でも今もう帰るとこ。大雪になる前に帰れって社内命令。」

『良かったー、ちょっと店に寄ってくんない?試作品のケーキ、潤ちゃんに食べてもらおうと思ったんだけど、雪じゃん?スノータイヤにしてなくてさ。』

「あーOK、OK!後で寄るわ」

『ごめんね、よろしく』


昼過ぎからの警報級大雪予報で帰宅命令が出た。

潤は今頃ランチの後片付けで忙しいだろうな。
夜は店どうするんだろう。



プルル、プルル

「もしもし」

『あ、翔さん?今どこ?』

「まだ会社。でも今帰るとこ。早く帰れってさ」

『良かった!雪が酷くならない内に帰って来れるんだね。俺も明日まで店休みにしようと思って。』

「相葉くんが試作品のケーキ取りに来てって言うから、それから帰るから。何か買ってく?」

『んー、特にないかな?』

「わかった!じゃ、早く帰るよ」

『気を付けて!』

警報級大雪は嫌だけど、潤とゆっくり出来るのは嬉しい。
ちょっとワクワクしてきた。


電車を降りて相葉くんの店に寄る。

カラ~ン

「あ、櫻井さん、寄り道させてごめんなさいね」

「萌さん!」

「潤が片付けはいいから早く帰れって。」

「あ、翔ちゃん!ごめんね。うちももう閉めようと思って。これ、新作。潤ちゃんと2人で食べて!」

「ありがとう。これ、何か美味しそうだったから買ってきた。食べて!」

「なぁに?わぁー、美味しそうなキッチュ!ありがとう。」

「ありがとう!また今度ゆっくり飲もうね!気を付けて!」

「うん、またね!」



さぁ、早く帰ろう!


と、1件の花屋が目に入った。

たまには、花のプレゼントなんてのもいいんじゃない?