今日はお昼から優香ちゃんとランチデートの日。


出勤した時から、いや、何なら昨日の夜から翔さんのご機嫌は少々ナナメ。

「全く!何で潤が子守り役しなきゃなんねぇんだよ」

「子守りって(笑)僕にとっちゃこれも仕事だよ!」

「当たり前だ!プライベートだったら大問題だからな!」

「また始まったのか?翔の駄々っ子」

お父さんも笑ってる。

「駄々っ子でも何でも嫌なものは嫌なんだよ(怒)」

「ふふっ」

「あ、翔、社長と私は午後から会合があるから1人で店番頼むね」

「ふぁ~い」

「では、行ってまいります。」

「潤、直帰じゃなく、こっちに帰ってこいよ」

「うん、なるべく早く帰ってくるね!」





優香ちゃんとの待ち合わせは広い公園内にあるカフェ。
どんな所で、どんな物を食べたか報告の為に、後日翔さんと来る事になってる。

「潤ちゃ~ん」と手を振りながら優香ちゃんがやって来た。

「潤ちゃん、久しぶり!」

「優香ちゃん、久しぶり!元気だった?」

「元気よ!相変わらず」

2人で窓際の席についてそれぞれ食べ物と飲み物を頼んだ。

「彼氏とは順調なの?」

「うん。そろそろ結婚も考えるんだけど、谷中家はおばあちゃんを中心に回ってるからさ。おばあちゃんが気に入るかどうかだよね.........。」

「ダメそうなの?」

「う~ん、どうなのかな?特別いい所のおぼっちゃんな訳でもないし、かと言って潤ちゃんみたいなイケメンでも無いしさ。」

「でも優香ちゃんは彼が好きで、彼も優香ちゃんを好きなんだよね?」

「もちろん!」

「だったら大丈夫だよ!僕をみてごらんよ。」

「潤ちゃんも副社と色々あったんだもんねー。でもだから優香とこうやってデート出来るんだけどね!」

「そうだね。今じゃ翔さんより可愛がってもらってる。」

「櫻の人達は皆素敵だし、理解もあるよね。」

「時々考えるよ。翔さんに甘えてばかりで、僕と一緒にいて本当に翔さんは幸せなのかって。だからって離れられないんだけどね。翔さんのご両親も、本当は孫の顔が見たいだろうに.........。」

「なぁに、優香に惚気?そんな事考えてるなんて専務か知ったら叱られるよ?」

「わかってる。たまに考えちゃうってだけ。」

「いいよなぁ、潤ちゃんと専務。見てるこっちも幸せなんだなってわかるもん。うちらもそうなればいいな。」

「ありがとう!大丈夫だよ、優香ちゃんも。」



そんなたわいもない話を2人でしながらご飯を食べて、翔さんの誕生日も近いからプレゼントの下見を2人でしたり、夕方、そろそろ帰ろうか、となった。

「しばらく顔だしてないから優香も潤ちゃんと一緒に櫻に行く。専務にまた潤ちゃんとデート出来るようにお願いしたいし。」

「ふふっ、大丈夫だよ、優香ちゃんとなら翔さんもダメって言わないよ。」


2人でお互いのパートナーのノロケや愚痴を話しながら櫻に戻った。