「相葉様、こちらへお着替えお願いします。」
と言われて更衣室に入って見ると、黒のタキシードがハンガーにかかっていた。
.........、これって.........。
「あのー、すみません。人違いされてませんか?」
「いいえ、相葉雅紀様ですよね?」
「はい、そうですが!」
「お着替え、お願いします」
「.........はい」
俺、こんな所で着替えしてる場合じゃないんだよ。松本の決心が固まらないうちに離婚を止めさせなきゃ。
何かわかんないけど急いで着替える。
.........鏡に映ったタキシード姿の俺。
なかなか様になってない?
んー、ニノちゃんに見せたかったな.........。
いやいやいやいや、今そんな事言ってる場合じゃなかった。
更衣室から急いで出る。
は?
そこにいたのは、白いタキシードに身を固めてクスクス笑ってるニノちゃんだった。
「ニノちゃん!そんな格好でこんな所で何してんの?」
「そんな格好って、あなただって随分な格好してますけど」
「そうなのさ!今、鏡見ててなかなか様になってるでしょ?って思ってさ。ニノちゃんに見てもらいたかったなーって思ってたとこ。どお?カッコイイでしょ!あ、松本に会った?」
「うん、翔ちゃんと控え室に来てくれた。」
「あー、そっか、良かったー。って翔ちゃん?」
「うん、相変わらずイチャイチャしてたよ」
「.........え?松本、離婚決心したんじゃなかったの?」
「何寝ぼけた事言ってんの!あの2人が離婚なんてある訳ないじゃない。馬鹿な事言ってないで行くよ!」
「行くって.........どこに?」
って俺が聞いてるのにスタスタと歩いて行くニノちゃん。
ニノちゃんの格好といい、俺のこの格好といい.........。
もしかして.........。
係の方がドアを開けた。
中は、小さい教会だった。
バージンロードの横の席には翔ちゃんと松本、そして大野社長と社員の方々が立って拍手をしていた。
「.........これって」
「皆からの誕生日プレゼント!誕生日おめでとう!ずっとずっと一緒にいようね」
「ニノちゃん.........。ありがとう、嬉しいよ!」
皆の前だという事も忘れて、ガッシリと抱きしめた。
ヒュー、ヒューと聞こえて、我に返る。
「もぉー」とニノちゃんが恥ずかしがって頬っぺをふくらせてる。
パイプオルガンが鳴って、バージンロードをニノちゃんとゆっくり歩く。
1年前、翔ちゃんと松本が歩いて感動して俺、思わず泣いちゃったんだった。
今、自分の時は、何か冷静で楽しくて嬉しくて顔が笑ってしまう。
歩きながら席の松本を観ると、翔ちゃんの肩に顔を埋めて泣いていた。自分達の時を思い出して泣いてるのかな。
横のニノちゃんも照れてるのか耳が真っ赤!
かわいい!!
朝、松本から電話来た時には考えも出来なかった事だ。
.........................。
「まつもとー!お前、離婚だなんて嘘ついたなー」
思わず声を出してしまった。
「ちょっと、結婚式!仮にもバージンロード歩いてる。」
「あっ!」
そうだった!
と思ったら横から「ごめんなさーい」と松本の声。
参列者皆が笑った。
今回も社長が牧師さん代わりをしてくれて、誓いの言葉と指輪の交換を終えた。
「指輪、用意してくれたんだ?」
「まあね、恥ずかしいからシンプルなもんだけどね」
「嬉しいよ!ありがとう。」
本当に
ニノちゃんと結婚式を挙げられるなんて夢にも思ってなかったよ。
誰もいなかったら濃厚なキスでお礼したのに。
忘れられない結婚式となった。
何なの?翔潤❤️💜
今年はツーショット、もう見られないと思ってたのに‼️
幸せな時間をありがとう❤️💜