⑨『会いたいよ…』








真理「キラ!キラ!?」


キラ「う…う~ん…」


真理「キラ!?大丈夫?あなた!キラが!キラが目を覚ました!」


「キラ。どこの世界に行ってたんだ!キラ!」


え?この時代??なに?


私……帰ってきたの??


まって!なんで?


キラ「北人くんは!?ね!ママ!ママの隣にいるのは?」


真理「あなたのパパにきまってるじゃないの!」


キラ「え?」


HIROさんが??……隣にいるのはまさしくHIROさん。



HIRO「は?北人?いつから吉野になったん??」


キラ「え?」


\ピンポーン/


真理「あっ来たんじゃない?まってね。」


HIRO「何があったんだ?キラ。」



…それはこっちのセリフだよ。

なに?北人くんの名前を言った途端。


なんなの??


「そう。……で大丈夫なんすか?いや戻ってこないかと思ったけど、」


真理「そうなの。でさ、目を覚ました途端なんて言ったと思う?北人くんは!?って!」


「北人?っすか!?」


真理 「そうなの。恋人はずーっとあなたなのにねー。」


HIRO「何があったかゆっくり話せるか??…壱馬きちゃったか。」


壱馬??

なに?意味がわからない。


壱馬「キラ?3日間も眠ったままでかなり心配したんだからなー。結婚式まで目覚めなかったらどーしようかっておもってた。」


は?結婚式??


まってー。おかしい。私の好きな人はただ1人。

北人くんしかいないのに!!


キラ「北人くん……」


壱馬「キラ。話したくなったら話してくれたらそれでいいから。」


違うの。この世界は私の本当の世界じゃないから。


何度も何度もそう呟いた。


会いたいよ……北人くん。


会いたいよ……北人くん。


北人くんの、香りに包まれたかった。


そんなふうに感じた日。私は自分の未来を違う形で壊した自分に今更ながらに気がついた。



つづく