あれは11年前、2014年の秋だった。
ひかるの家にやってきた俺は、その後日本全国いろんなところに連れていかれた。
しかし、当時はぬい活なんていう文化がない時代。
いい年齢の女がぬいぐるみを持ち歩き、写真を撮るということに恥じらいがあったのか、
こそこそとカバンから俺を取り出しいそいそと写真を撮り、終わればカバンの奥底につっこまれた。
正論という名の嫌味のひとことでも言えば、にらまれ舌打ちされる。
まぁでもそれはそれで楽しかった。
なのにだ。
いつからか、連れて行ってくれなくなってしまったのだ。
そう。
お義母さんと一緒に出掛けるようになったからだ。
お義母さんとの関係は大切にした方がいい。
ドラマ・渡る世間は鬼ばかりで、幸楽に嫁いだ五月は義母にいびられ大変そうだった。
あと、お義母さんは圧倒的に薄くてかさばらず、悪目立ちしない。
そんなわけで留守番専門になった俺は、
コロナ禍の断捨離も無事乗り越え、ひかるの部屋の定位置に長らく鎮座していた。
めぐりめぐる季節をこえて、ひらひらと花が舞う頃。
最後かもだし一緒に行こうか、と言われ久しぶりに出掛けることになった。
ひかる「久しぶりのナゴヤドーム!来ない間にバンテリンドームに名前変わったし!」
ひかる「会場も、駅も、ドームまでの電車の中も、嵐ファンがたんくさん…」
ひかる「この数年は他のアーティストのそういう風景を見掛けてうらやましく思ってたから、またこの風景が見られるなんてうれしくてそれだけで涙出てくる。泣」
デビクロ「涙もろくなるのは、前頭葉の働きが年を取ると低下するかららしいぞ。しょうがない」
ひかる「…ふんっ!」
でもたしかに、同じコンバッグを持っている人たちは、みんなとてもうれしそうで幸せそうな顔をしていた。
ドームの隣のイオンはカラフルに装飾されてて
(無印良品で5色そろえてくれてるのは驚きだし、感謝)
本屋はバックナンバー祭りで
いろんな時代のメンバーがいたが、どれもかっこいいからうらやましい。
あと、嵐と全然関係なくかき氷を食べに行って、謎にツーショット写真を撮られ。
ひかる「後ろの壁が黄色いから、ニノ担みたいー♡」
ひかるは寂しそうにメソメソしているときもあったが、今日はとても楽しそうだ。
朝から
夜まで
久しぶりに1日連れまわされて疲れたが、
オタクの楽しむ姿を見ていると、こちらも幸せをもらった気分だ。
さて、ひかるは来週福岡にいくらしい。
はたして俺は連れて行ってもらえるのだろうか。
本場のバリカタのとんこつラーメンを食べたい。









