高速道路。今では運転も怖くなくなってきた。でも、ハンドルを握るたびに思い出す。あなたの最後のセリフを・・・
「奈々がいるから左には避けられない!!!」
そう、そのとき私は助手席にいた。夏休みに俊の車でドライブ中。
それは、突然訪れた。
真正面にどんどん大きくなっていく真っ赤なブレーキランプ。何が起きているのかは前の車が大型車なので判らない。とっさに見た右レーンは車が迫ってきていた。
「俊!しゅん!!左よ!!左に車擦りつけて!!!止まるから!!」
ドアミラーにどんどん後ろから迫ってくる、迫ってくる、また大型車。
「俊!左よ!!」
その時あなたは言ったのだ
「奈々がいるから左には避けられない!!!」
あなたが、私の手ごとサイドブレーキを引く。
神様お願い。止めて。車を止めて。
そして、俊を助けて。
轟音が響く中、私は真っ暗闇の中へ滑り落ちた。俊の左手のぬくもりとともに。
