中学生の頃になると、私は図書館だけでなく、
本屋さんにも通うようになりました。
少しずつ自分のお小遣いで
文庫本を買えるようになったことが嬉しかったな。
その頃、私の心をつかんで離さなかったのが
赤川次郎さん の作品でした。
三毛猫ホームズシリーズは有名ですが、
特に印象に残っているのは『黒い森の記憶』や『悪魔のような女』『上役のいない月曜日』など。
日常のすぐ隣にある“ちょっと不思議で、少し怖い世界”。
つい夜更かししてしまうこともしばしばでした。
同じ時期に出会った
眉村卓さんの『とらえられたスクールバス』
はまた別の意味で衝撃的な1冊でした。
“時間を超える”というテーマを、はじめて物語の中で体感した気がします。
いまでは映画やドラマでよく見る「タイムトリップ」ですが、当時の私にはまさに未知の世界。
ページをめくる手が止まらず、読み終えたあともしばらく物語の余韻から抜け出せませんでした。
──思えば、「時間」というものに不思議な興味を持ち始めたのはこの頃だったのかもしれません。
後に“時間軸”というテーマで本を書くことになるなんて、この時の私は想像もしていませんでした。
大人になってからも、本は常に私のそばにありました。
宮部みゆきさん の物語に引き込まれ、
唯川恵さん のエッセイで、女性の気持ちの機微に共感したり。日々の忙しさの中で、本を開く時間は私にとって“小さな休息”でした。
結婚して、子供が生まれ、
その子達を連れて行けるようになった図書館でも
児童室の温かい雰囲気に心が和みました。
自分が子供の頃読んでいた
懐かしの本を見つけては
子供たちと手に取るー
離婚前の夫との大変な時期の
大切な癒しの時間でした。
読むことは、自分を整える時間。
たちまちその世界に入り込める時間。
そして──
初めての“書く側”への挑戦。
次回は、私が時間の本を書くことになった
そのきっかけについて、
お話ししたいと思います。
📕時間軸で人生が整う
