デジ子です

 

1年で100万回「ありがとう」を言おうチャレンジ 136日目

2024年2月6日(火) 晴れ

 

 

 

 

 

 

高校3年生のS子さんは

担任のN介先生のことが大好きです。

 

S子さんは

知的障がいがあります。

生まれつき肢体不自由もあります。

 

N介先生は、

S子さんの気持ちを知っています。

愛する奥様もお子様もいらっしゃるN介先生は、

もちろん、彼女の想いを受け入れることはできません。

でも、彼女の気持ちを無碍にすることはありません。

いつも素敵な対応をする先生だな・・・と感心します。

 

 

 

S子さんは、

普段は自分でゆっくりと歩くことができます。

疲れが出てくる夕方には、車椅子を使います。

 

その日は、三者面談。

車椅子に座ったS子さんとお母さんは

教室の前でN介先生を待っていました。

 

 

 

通りかかったM先生が

「こんにちは。S子さん、N介先生、いらっしゃいましたよ。これから面談ですか?」

と、S子さんとお母さんに声をかけました。

 

S子さんは、車椅子からゆっくりと立ち上がって、

N介先生の方に振り向きました。

 

 

とっても美しい笑顔です。

大人の女性の表情です。

自信に満ちて輝くまなこは、見る者を釘付けにします。

人を想う女性は

こんなにも美しく変化するものなのです。

 

 

「お待たせしました。S子さん、お母さん、教室へお入りください。

S子さん。歩いて教室へ行きますか?お手伝いしましょうか?」

と、すくうようにそっと右手を出すN介先生。

「はい」

と、N介先生の右手に、左手を置くS子さん。

 

まるで舞踏会で

ダンスを申し込まれたみたい

 

様子を見ていたM先生が

「S子さんは、N介先生のことを、お慕いしているんですよね。

人を愛おしく想う感情って素敵ですね」

と、お母さんに、そっと耳打ちしました。

 

 

「この子が人を愛おしく想うことができるなんて・・・

こんな嬉しいことが起こるなんて・・・」

お母さんの両頬を涙が伝っていきます。

涙は次から次へと溢れて落ちていきます。

 

 

 

 

 

 

【人を愛おしく想う感情】は

もうすでに誰の中にもあるのだと

わたしは思います。

 

想いを寄せている人の姿を見るだけで

心が満たされて

想いを寄せている人の声を聞くだけで

幸せで

もっとわたしを見て欲しくて

もっとわたしを知って欲しくて

もっとあなたを見ていたくて

もっとあなたを知りたくて

もっとそばに近づきたくて

1分でも長く

1秒でも長く

一緒の時を過ごしたくて

 

あなたを愛おしく想う

 

あなたの笑顔を見たくて

あなたが幸せでいてくれることで わたしも幸せで

あなたが辛いと わたしも辛くて

 

頭で考えるんじゃなく

心で感じる

自分の想いを

相手の想いを

心で感じる

 

感じとることができる人が

世界に増えたら

 

世界中が愛で包まれていたら

 

どんなに平和で幸せだろう

 

 

これからこの地球を担っていく子どもたちに

残していけるものは、

人を愛おしく想う心

なのではないかと

わたしは思うのです。