援助・支援とは難しい。そして減災という観点 個人的な見解 | 塚越友子(臨床心理士・公認心理師)オフィシャルブログ Powered by Ameba

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築地駅徒歩1分のカウンセリングルーム 東京中央カウンセリングの心理カウンセラー(臨床心理士・公認心理師)塚越友子が薬に頼らず「うつ」や心の病を治す方法♪&だれとでもうまくつきあえるようになる人付き合い上手になる方法♪を教えます♪

こんばんは

東京中央カウンセリング塚越友子です。

 

この度の地震で被害に遭われた方々に心より

お見舞い申し上げます。

 

そして、熊本の様子を目にして、何かしたい

もしくは何かしなくてはと思っている方も

大勢おられると思います。

 

私もその1人です。

 

が、対人援助を仕事にしているという職業柄

支援はとてもむずかしいことだと実感しています。

 

私は、長年の仕事を通して、

援助を必要としている人が欲するものを援助できて

はじめて援助は成立すると考えています。

 

ただ自分の助けたい・役に立ちたいという気持ちで

行動してしまうと、それは単なるエゴで自己満足に

なってしまうのではないでしょうか。

 

東日本大震災のときも、たくさんの物資が届いた

のはいいのですが、それが逆に第二の災害となった

ということは有名ですね。

 

地震の直後は、現場も混乱しており、プロがまずは

物資や避難場所、病人の手当、流通経路など

物理的な安全・安心の確保をすることが第1の支援です。

 

まずは、物理的に環境が整って、それからボランティア

などアマチュアの支援が可能になると思います。

 

また、震災がおきた直後は人々の注目が集まりますが

本当に被災者が辛いのは、その後ずっとです。

 

自分の人生を取り戻すまで、それはいつになるのでしょうか?

 

人によっては、これから永遠に続く場合もあります。

 

プロではない私たちは、緊急の時ももちろんですが、

人を助けたいという尊い気持ちがあるならば

その気持を持続させ、継続的な支援ができるように

スタンバイしておくのも一つのあり方ではないでしょうか

 

援助は、お金・物資・人的と3つあります。

いてもたってもいられない人は、まずは信頼できる機関に

義援金を送ることで、優しい気持ちを行動に変えるのは

いかがでしょうか。

 

せっかくの支援で、現場が混乱してしまっては

本末転倒ですよね。

 

通常時、死別という喪失体験は、私達にとって

直後よりもしばらく時間がたってからの方が辛いという

ことがよく起こります。

 

喪失体験ふくむ、個人にとって受け止めがたい

強烈な感情体験は、時間をおいて本人は自覚します。

 

直後は抑圧して、その状況そのものを乗り越えようと

するのが人間です。

一段落すると、現実と直面化し、感情が湧いてきます。

 

震災時の心のケアは、PTSDなども懸念されますので、

今すぐではなく、落ち着いてからというのが常識です。

 

現時点では、WHOが提供している

サイコロジカル・ファーストエイドにもとづいて

行うことになっています。

 

その点からいうと、メディアに関わっておきながら

なんですが、

地震の時の様子を被災者にインタビューするというのは

言語道断です。

 

怖さなどネガティブな感情を追体験しPTSDになる確率を上げます。

 

メディアのヘリの騒音なども気になりますが

あのインタビューもどうにかならないものかと

内心憤りを隠せません。

 

震災などメディアが大騒ぎする出来事が起きた場合には

メディアの報道が一段落したころが

援助本番の時期です。

 

その時まで、あれこれ自分には何ができるのか

計画を立てておくのもいいですね。

 

どうやら地球が大きく活動しているようですので、

今は、ご自分の周りの地震対策を見直すのも素晴らしい

行動だと思います。

 

今、一人ひとりが見直すことによって、もしも自分たち

のところで地震がおきたときに、被害を少なくすること

や支援体制を整えるスピードが早くなるかもしれません。

 

おきてしまってからだけではなく、

減災という観点、備えるという行動も大切です。

 

関東大震災を予測して防災の啓発活動を

おこなっていたという寺田寅彦の有名な言葉

「天災は忘れた頃にやってくる」

をひくまでもありませんが、

今は、忘れるまもなくやってくる大地震。

 

今こそ、防災から一歩すすんで

減災のために行動をする時なのでは

ないでしょうか。

 

減災のための行動は、未来のだれかの命を

救う尊い行動だと私は考えます。

 

支援に関する情報を集めたいという方のために

下記に参考サイトを。

 

熊本支援、私たちにできることは - Yahoo!ニュース

 

サイコロジカル・ファーストエイド

 

今日も最後まで読んでくださった素敵なあなたに

沢山の幸せが訪れますようにあひる