プリズナーズ | 気紛れな心の声

気紛れな心の声

気がついたこと 不意に感じたこと とりあえず残してみようって^^…最近は小説化しているけれど、私の書き方が上手くなるように感想くださいね

プリズナーズ
≪あらすじ≫
家族や友人が集まり食事を楽しむ感謝祭の日、ある田舎町で幼い少女が行方不明になる事件が発生。手がかりは乏しく捜査は難航。証拠不十分で釈放された第一容疑者の証言を聞いた父親は、犯人が誰なのか確信。娘の命を守るためには自らの手を汚すことも辞さないと決心し、救出に乗り出すが……。

≪解説≫
2時間半以上の長尺。監督は本作でハリウッド初進出となったカナダ人監督ドゥニ・ビルヌーブ。原作なしの完全オリジナルストーリー。6歳と7歳の少女2人が失踪するという物語もヘビーだが、その後の暴力描写はさらにヘビー。こんなシリアスでハードな作品を興収初登場ナンバー1に送り込んでしまうアメリカの「普通の観客」のレベルの高さと胃袋のタフさに、まずは驚かされる。新聞やテレビやネットのレビューを参考にして映画館に出かける層がいまでもマジョリティを占めるアメリカの観客は、批評家たちが本作に寄せた絶賛の声に敏感に反応したのだ。
 その通り。この「プリズナーズ」、とにかくストーリーが滅法面白い。広い意味ではサイコスリラーに分類することも可能なのだが、その面白さと緻密なサスペンスと作品の風格は、同ジャンルにおける90年代以降のエポックメイキングな作品、たとえば「羊たちの沈黙」や「セブン」や「殺人の追憶」といった傑作群に匹敵する。その上で、ヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホール、二人のスターアクターがキャリア最高の演技を披露する濃密なヒューマンドラマである本作は、観客の一人一人に次のような重い問いを投げかけてくる。「もし最愛の子供が誰かに誘拐されたとしたら、あなたはどうするか?」。
 日本人の多くは、本作でヒュー・ジャックマンが演じている主人公のように、リバタリアニズム(完全自由主義)という極めてアメリカ的な思想を持ち合わせていないし、それを体現するだけの強靭な肉体も武器も持ち合わせていないだろう。はたして、それは幸福なことなのか、それとも不幸なことなのか。次第にエスカレートしていく主人公の行動、そして二転三転する驚きに満ちたストーリー展開に、観客の感情は最後まで常に揺さぶられ続ける。そして、登場人物の誰もが身体的、もしくは精神的に無傷ではいられなかったように、本作は確実にあなたの心にも大きな傷跡を残すことだろう。今年度屈指のサスペンス/スリラー作品であると断言したい。

≪私的にコメント≫
解説のところで…しっかり問われているのでいまさらだが、最愛の子供が誘拐されたとしたらどうするだろうか。
この作品は、CSの『怒らせたら怖い親父たち』というくくりで紹介されていたのをみたのだが、ヒュー・ジャックマンの鬼気迫る演技に感動すら覚える。彼にしたことは確かに愚行だ。が、それを止めることのできない凶器も確かに存在している。
親の暴走する心に歯止めなどないのかもしれない。

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