遥かなる水の音 | 気紛れな心の声

気紛れな心の声

気がついたこと 不意に感じたこと とりあえず残してみようって^^…最近は小説化しているけれど、私の書き方が上手くなるように感想くださいね

遥かなる水の音 (集英社文庫)
集英社
2012-11-20
村山 由佳

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《あらすじ》

パリで、ひとりの青年が死んだ。最期をともに過ごした同居人は、ゲイの中年フランス人だった。青年の遺言は、「遺灰をサハラにまく」こと。フランス、スペイン、モロッコー。青年の姉、友人のカップル、同居人のグループは、様々な思いを抱えたまま、遺言を叶える旅に出るが…。


《私的にコメント》

視点がグルグル変っていきます。苦手な人は要注意ですが、この作品の場合、それほど気にならないかもしれません。変る時に、誰の視点かが書いてくれているので…。ただ、主人公を誰と捉えるのかが問題になります。(僕の書く物語も視点は変わる、主人公を隠しているというのはありますが、この作品は解りやすいです)


一人の青年が逝きました。想いを胸に秘めたままで、異国の地でソッと。

彼の遺言に従い、友人達は旅にでます。奇妙なたびの中で、出会いと関わりが色々な思いを変えていきます。一つの真っ直ぐだった思いが、受け取る側によって変化していく現実に対して、思い悩み苦しんでいく時間の中で、人の優しさと不器用さを見て取ることができます。

丁寧に紡がれていく物語の中で、人が持つ優しさにきっと触れることができるでしょう。

いま、あなたの傍にいる隣人が、特別な思考の持ち主として、あなたが出す答えはどう変るのでしょうか。人が人を好きになる。それを純粋に、無垢に、追い求めた先に有るものは…。