これも恋物語… 第4幕第2章20 | 気紛れな心の声

気紛れな心の声

気がついたこと 不意に感じたこと とりあえず残してみようって^^…最近は小説化しているけれど、私の書き方が上手くなるように感想くださいね

「な、なんだよ…」

「君がリーダーだよね…浅田俊平くん…」

「!」

「心配しなくても素性も名前も全て忘れるけど…君が、準構成員であることを知っているメンバーだけを教えてくれ…」

「えっ?」

「俺は、しのぎについて、どうこういう気は無い…ただ、ルールを守っていればな…君のところには、君のところのルールが存在するんだろう?そして、君のここにあるチームにも、な」

「…ああ、解っているなら放せよ…」

「凄んでも無駄だよ…」

「?」

「やくざ、ちんぴら、任侠…どれでもいいけどさ、独りの人間てさ、組織が怖くないもんなんだよ…稀に守るべきモノを持っているくせに、怖いもの知らず、もいるけどな」

「………」

「君のここのチームには、いないんだね?」

「…ああ…」

「一真、男たちを先に…」

「はいはい」

天城は、床で倒れている男を一人ずつ立たせると、威圧したままに部屋を後にした。

「あの、何処に連れて行ったんですか?」

「君は?」

「水木亮子といいます…」

「水木か…」

水城は、クスッと笑い、男の胸倉を掴む手の力を緩めた。

どすっ、と鈍い音をさせて、男は床に座り込んだ。本当は、立っているつもりだった。それなのに、立っていることができなかった。膝に力が入らない。体中の震えが止まらない。

「何がおかしいんですか?」

「俺もみずき…だからかな…心配しなくても、荷物搬入出エレベーターでホテル外に出してくれるから」

「じゃあ…その人は…」

「彼は上納金を払う為に美人局を本業にしている…でも、そっちだけでは、自分の実入りが少ないから、こっち側、つまり、君たちの方で小遣い稼ぎを始めたわけだ…ノウハウはあるしな…でも、その事が上層部にばれ、罠をはられた…」

「えっ」

「罠を仕掛けておいて、罠にはまるとは…という感じだけどさ…」

水城は、いいながら、亮子に近付いた。

「リーダーは?」

「私です…」

美津子が応えた。

「俺が何を言っても、君たちに変える気が無ければ何も変らない…」

「………」

「だから、何か言う気も無い…ただ、…」

ぱん!

「きゃっ」

短い悲鳴を残して美津子は床にこけた。

「お仕置き……本当は、親にしてもらうのがいいけど、俺が何処かに届け出るわけでもないから」

ぱん!

「きゃっ」

さつきが尻餅をつく。

ぱん!

「きゃっ」

みさえがソファーに倒れこんだ。

「忘れるな…」

「えっ?」

「自分がしたことが…後で何かの結果をもたらす事実になる事を」

「…あっ、はい」

ぱん!

亮子が尻餅をつく頃、明らかに雰囲気の違う集団が部屋に入ってきた。

浅田を迎えに来た組織のメンバーだった。

彼らは、水城に深々と頭を下げると何も言わずに浅田だけを連れて消えた。