花を見るとき、
その色彩は、ただ花を認識することを遥かに超えた、壮大なメッセージを運んでくる。
「色」に含まれる深い意味が、
私たちを今にも飲み込みそうな力強い勢いで、伝わってくるのだ。
例えば、
石ころを手に取るときも、その硬さを感じるばかりではなく、
それが含む精神的な意味に気付きはじめる。
その中に、
大地の堅固さと威厳の表現を、
現実として「経験」するのだ。
私たちは実際に「エベレストを手にしている」と言うこともできる。
さらに物理的な意味だけでなく、
平和やエネルギーの強固さ、
つまり滅びることのない力についても語ってくる。
石が真に石であることの本質、
水が真に水であることの本質を、
じかに知ることができるのだ。
このような知覚には、
ものごとを概念化しようとする気持ちが全く含まれていない。
目の前を覆うベールが取り払われたように、
あらゆるものが非常に精細に見えるのだ。
目にするものすべては、
精神的な表れの発見となる。
これがマンダラの基本原理である。
周りにあるすべてが意識の一部となり、
その円全体が、
生の生き生きとしたリアリティーの表現となる――。
‥‥タントラへの道・・チョギャム・トゥルンパ・・・・