原題:ELLE
製作:2016年 フランス
監督:ポール・ヴァーホーヴェン
原作:フィリップ・ディジャン
脚本:デヴィッド・バーク
音楽:アン・ダッドリー
出演:イザベル・ユペール、ロラン・ラフィット、アンヌ・コンシニ
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ゲーム会社の社長を務めるミシェルはある日、自宅
で覆面の男性に暴行されてしまう。

ところがミシェルは警察に通報もせず、訪ねてきた
息子ヴァンサンに平然と応対する。翌日、いつも
通りに出社したミシェルは、共同経営者で親友の
アンナと新しいゲームのプレビューに出席する。  
(シネマトゥデイ より)
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世界的に話題、そして評価を集めた作品。

冒頭、いきなりミシェルが暴行されるシーンから
始まります。このミシェルを演じたのは
フランスの名女優イザベル・ユペール。

実年齢63、4歳なのですが、
50歳くらいの役柄を見事にこなしています。

そして監督はポール・ヴァーホーヴェン。
『ロボコップ』『氷の微笑』などでも有名ですね。
酷評された『ショーガール』も何度も観ました(笑

さて、物語は上述の通り、暴行シーンから
開始されますが、ミシェルは通報することなく
割れた花瓶などを片付け、訪問してきた息子と
何事もなかったかのように食事をします。

しかし息子のパートナー、ジョジーとは
折り合いが悪いようで… と思ったら
このジョジーもヒステリックで変わり種だわ

ミシェルの実母も整形好きで若い男を漁ってるわ
元旦那も若い女性に現を抜かすわ

って、登場人物、誰もがおかしい(笑

まあ、それでも特に異質なのはミシェルであり
暴行から彼女の性癖が一気に開花していくようでもあります。

実は彼女が10歳の頃、父親が近隣住民を
次々を襲う殺人事件を起こし、
そのときの写真が出回ったミシェルに対しても
奇異な目で見られ続けてきたんですね。

その結果、警察やマスコミに不信を抱き
当事者の父親、さらに母親をも憎んでいるようです
(父親から暴行を受けてたかは明確に描かれていない)。

それらすべての要素を抱え込み
時に無表情で、時に図太くさえあり
さらに不倫の事実を親友にも
あっさり告げてしまうミシェルが強すぎです。

これはきっとアメリカでは作れない作品だったでしょうね~


ELLE