原題:THE REVENANT
製作:2015年 アメリカ
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
原作:マイケル・パンク
脚本:マーク・L・スミス、アレハンドロ・G・イニャリトゥ
音楽:坂本龍一、カーステン・ニコライ
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・クリーソン
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アメリカ西部の原野、ハンターのヒュー・グラスは
狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死の重傷を負うが、
同行していた仲間のジョン・フィッツジェラルドに
置き去りにされてしまう。

かろうじて死のふちから生還したグラスは、自分を
見捨てたフィッツジェラルドにリベンジを果たすべく
大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに
及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。
(シネマ・トゥデイより)
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1800年前後のアメリカ西部開拓時代に、
罠漁師として実在したヒュー・グラスが、
ハイイログマに襲われて重症を負いながらも
生還した話がベースになっている本作。

レオナルド・ディカプリオが5度目のノミネートにして
悲願のアカデミー主演男優賞を獲得しましたね。
ちなみにトム・ハーディとは
『インセプション』以来の共演です。

さて物語はその開拓時代の真っただ中、1823年に
ウィリアム・ヘイリー・アシュレー将軍が
率いる一行が毛皮を採取している最中、
ネイティブ・アメリカンに襲われるところから
始まります。

ガイドとして同行していたグラスを含めた一行は
なんとか逃げ延びるも、追っ手を避けて船を捨てることに。
さらに野営をしていると、グラスがクマに襲われ
瀕死の重傷に陥ってしまいます。

そこでリーダーであるアシュリー将軍は
連れ帰ることを諦め、グラスが息絶えるまで
見届ける有志二名と彼の息子のみを残して去ることを
決断するのです。

残ったのは、ジョン・フィッツジェラルドと
若いジム・ブリッジャー。
しかし彼らは義侠心からなどではなく、
報酬が目当てだっただけで、グラスが早く
死ぬことを願っていました。

そして、ブリジャーが水を汲みに行ったときに
フィッツジェラルドはグラスを殺そうとするのですが…

実際にグラスを見届けることになった二人は
当時23歳と19歳だったようです。
グラスの息子がいたのは脚色なのかな。

さらに武器も食料も失い、追っ手などからも逃れて
グラスが戻ろうとした道のりは320km。
怪我をしていることを考えれば、途方もない距離です。

でも映画の中では、ある動機、いや目的を遂行するために
グラスは這いつくばってでも、死んだ馬を剥ぎ、
その“体の中”で眠ってでも生還しようとするんですね。
撮影も相当厳しかったようです。

ただ、この作品にはさまざまな執念が集まっていました。
監督しかり、ディカプリオしかり、
さらには劇中の娘を探す首長しかり、
義を重んじる将軍や
生にしがみつくフィッツジェラルドしかり。

そのせいか、ずっと緊張感は途切れません。
最後の最後、グラスが見た先に何が映ってたのか、
それはこの150分に詰まっています。

レヴェナント:蘇えりし者