聖「患者もこないし・・・平和だ・・・」

ピンポーン

聖「どうぞー」

晴子「毎度やで」

聖「やー神尾さん」

晴子「っておったんかい!」

聖「ここは私の家兼職場なのでいないはずないだろう」

晴子「いや、定休日って札が出とったから・・・」

聖「ああ、忘れてた」

晴子「ええんかいなそれで・・・」

聖「ごらんのとおり」

晴子「確かにこたつむりと化しとるなぁ・・・」

聖「まぁ神尾さんも入れ。飲むんだろ?」

晴子「ほな、お邪魔するで」


聖「旅からすでいいのか」

晴子「モチのロンや!」

聖「では」

「「乾杯!」」チンッ


晴子「せやけどなんで待合室にこたつ・・・」

聖「うちは冷暖房完備だが、気分転換で置いてみた」

晴子「まぁ椅子より座布団の方が好きな人もいるやろなぁ」

聖「それに、うちは意外と常連多いし、医者は私一人だからたまに混む」

晴子「せやなぁ」

聖「おかげでまさかの大ヒット」

晴子「そんなにかいな・・・」

聖「椋さんがこたつでいい話相手になるから」

晴子「ああ、あの美人看護師ちゃんかいな」

聖「よくわからん人妻ナース萌えが殺到」

晴子「メイドカフェならぬ、人妻ナース診療所・・・」

聖「お陰で私の労働時間が大変なことに」

晴子「そんなにハードやってん?」

聖「朝9時に診察開始、終わるのが24時過ぎ」

晴子「ブラック過ぎるわ・・・」

聖「真剣に私が倒れるかと思った」

晴子「おさんどんはどないしてん?」

聖「そこは椋さんがうまくやりくりを」

晴子「できた子やなぁ・・・」

聖「お陰でだいぶ稼がせてもらって現在に至る」

晴子「休暇中ってことやんな。で、どのくらい儲けてん?」

聖「例えて言うならな・・・」

聖「我が霧島診療所はあと10年は戦える・・・」


晴子「ところでつまみないんかいな」

聖「ああ、するめとみかん。あと、ぽてち」

ポテト「ぴこっ!?」

聖「ときに、観鈴さんの具合は?」

晴子「相変わらずや。部屋にこもってネット三昧」

聖「」キュピィン

聖「観鈴さんにこたつを与えてみろ」

晴子「却下や!!」

聖「名案だと思ったのだが」

晴子「これ以上ヒキニートになってたまるかいな」


晴子「せやけど、霧島はんも苦労したなぁ。居候が来てから」

聖「いろんなことがあったな、あの夏は」

晴子「まず、かのりんの原因不明の病気が治った」

聖「あれには感謝している。が」

晴子「なんかあるんかいな」

聖「私の佳乃を奪ったのは許しがたい」

晴子「いい加減和解したらどうや・・・古河パンとこの一家みたいに」

聖「秋生様ほど心が広くはないのでね。それに」

晴子「それに?」

聖「私は神尾さんと同じく早苗さんのような素敵な嫁がいない!!」

晴子「!!」ピシャーン



聖「遠野さんのご母堂の病が治ったのもあの夏だったな」

晴子「観鈴のクラスメイトやったかな?」

聖「確かそうだったような」

晴子「あの娘はええ子やなぁ」

聖「時々、アルバイトを始めたと聞いたが」

晴子「うちの保育所でな」

聖「あー、似合っている気がする」

晴子「霧島はんとこのナースちゃんの姉や水瀬さんとこの居候2号おるやろ」

聖「確か、杏さんと沢渡さん」

晴子「三者三様で毎日コントやわ」

聖「楽しそうでなにより」


聖「あとは神尾さんとこの観鈴さんだな」

晴子「せや。あの夏、あの日、あんたに預けてしまったばっかりに・・・」

聖「サイボーグとか改造人間の類なら私の専門分野だ」キリッ

晴子「なんでやねん!」

聖「あ、酒なくなった」


聖「神尾さん、買ってきてくれ」

晴子「客に買わせにいくんかいな・・・」

聖「こたつ最高」

晴子「マジヤバいわ・・・」


聖「こんなときは出前に限る」

晴子「なんや、アテがあるんかいな」

聖「ヤツは私の命令には絶対に逆らえない」

聖「と言うわけで電話する」

プルルルル…ガチャ

往人「どうした、聖」

聖「いつものを買ってこい。時間は3分やる」

往人「またパシりかよ!」

聖「安心しろ。神尾さんもいる」

往人「クッ…ちょっと待ってろ」ピッ

聖「」ドヤァ

晴子「なるほど、居候にもそういう使い方が…」


ピンポーン

往人「俺だ」

聖「よしはいれ。そして出て行け」

往人「あのなぁ感謝とかそういう類のものはないのか」

聖「貴様には佳乃という私の命を預けているのだが、何か文句でもあるか」シャキーン

往人「御代は結構です。では」ソソクサ

聖「バカとなんとかは使いようさ」

晴子(鬼や…鬼がおる…)

聖「では、改めて」

「「乾杯」」チンッ


晴子「そういえば、さっきからちょいちょい名がでてるナースちゃん」

聖「椋さんがどうした?」

晴子「ここが定休日ってことは仕事ないんちゃう?」

聖「それに関しては問題ない」

晴子「どういうことや?」

聖「イケメンスプリンターの彼氏とイチャラブ(リハビリ)中」

晴子「リア充氏ねや」


聖「神尾さんくらいの美人なら彼氏の4~5人いそうだがな」

晴子「おだててもむだやで…そらまー、昔はちぎっては投げ、ちぎっては投げ」

聖「逃がした魚は…人魚だったんだな…」

晴子「なんで知ってんねん!?」


晴子「霧島はんはどうなんや?」

聖「私か?いいですとも」

晴子「意味わからん」

聖「冗談はおいといて」

晴子「なんで美人女医なんてハイスペックなのに浮いた話ないんや」

聖「…シスコンだからさ」

晴子(自覚はあるんやな)


晴子「もう1杯もらったら帰るわー」

聖「飲酒運転で事故って運ばれてきますように」

晴子「縁起でもないことを…うちのドライビングテクニック知らんのかいな」

聖「ほぅ?」

晴子「飲酒運転続けること(ピーーーーーッ)年、ゴールド免許や!」ビシッ

聖「なん…だと…」


晴子「ほな、そろそろ帰らんと観鈴が心配やし」

聖「ああ、気をつけてな」

晴子「ありがとさん。霧島はんも身体に気をつけてや」

聖「ああ、無論だ」

聖「だが、こたつからは出ない!」

晴子(アカン、完全におわっとる…)


 Fin