ピッツバーグからの帰り道。落水荘Water Falling Houseへ寄りました。
「20世紀最高の建築のひとつ。アメリカに住んでいるなら絶対行くべきだ」と、建築家の知り合いに強く言われやっと行く機会を得ました。
この落水荘へ入るには、ツアーチケットが必要です。オンラインで予約出来るのですが、ずーっと「予約可」となっていたので、余裕かましていたら、予約しようとした3日前にいっぱいになってしまいました。そのため一緒に行こうとしていた友人たちが都合つかずに行けなくなってしまいました。早めに予約しましょう。土日は特に。当日、予約なしで行っても入ることは厳しいと思います。
Frank Lloyd WrightがPittsburghでデパートを展開していたEdgar Kaufmannのために建てた別荘です。カウフマンのデパートは現在Macy'sと統合されました。この別荘、その名の通り滝の上に建てられています。自然のなかにそびえたつ、その力強さがとても象徴的。紅葉のシーズンに行ったからか、建物の色と周囲の自然とが融合しており、異物感を感じませんでした。
2つ上の写真の反対側から撮った写真です。上記の写真の通り、川岸ギリギリに建てられています。このちょうど反対側が滝です。写真に見えるところはダイニングになっていて、階段で川まで降りることが出来ます。
ガイドさんと10人ほどの観光客と一緒にツアー開始。建物の中は写真撮影禁止でした。家具や小物までデザインするライト。建物の中に入るとどこか見たことのある調度品、家具類。どこか日本の住宅にありそうな感じです。そしてカウフマンの寝室には浮世絵が。ガイドさんに聞いてみると、この浮世絵はライトからのプレゼントなのだそうです。
全く予備知識がなかったのですが、ライトは日本で様々な建物を設計しているのだそうです。そして浮世絵のコレクターでもあるそうです。どこか見たことがある感じはライトが日本から多大なインスピレーションを受けているからなのですね。もしかしたら、逆に最近の日本の住宅建築はライトから影響を受けているのかもしれません。今度聞いてみよう。
これは川の下流側から撮った写真です。
全体的に建物は狭い。そして天井が低い。テーブルや椅子、便器まで低く作られています。アメリカの建物は雄大で天井が高い印象が強いのですが、落水荘は全く違っています。天井の低さや部屋の狭さが日本の住宅を連想させます。ロードアイランド州にある豪邸マンションとは全く異なっています。
山側へ登ったところに離れがあります。ここは客室として使っていたそうです。別館までの円系の渡り廊下がとてもきれいでした。3段づつ(4段だと思うのですが、ガイドがそう言ってました)の階段がちょうどよく、高台へ登るにも苦になりません。
ボイラー室等が本館と独立しており、本館で何かアクシデントが起こったときに避難できるようにもなっているそうです。別館は天井が少し高い。
プールもありましたが、緑色してました。州の法律で、藻が生えないようにするための薬品を入れることが出来なくなっているそうです。
窓は全て赤茶色のフレームで統一されていました。角の窓は柱が無く、この窓を開けると本当にオープンな印象になります。カウフマンの書斎の窓を開けると川のせせらぎが気持ちよく聞こえます。
壁は写真で見られるように、平らに岩を削ったものを重ねたような壁がとても印象的でした。室内もこの壁で覆われていました。
落水荘は長方形の面を基調とした感じがとても新しい感じを与えてくれました。自分の生まれる前の建物なのに変な表現なのですが、新鮮な感じがしました。おそらく最近の日本の建物はどこか曲線が多い建物が多いからではないでしょうか?強い印象を与える面と面を直角、又は水平に重ねることによって出す重厚感に惹かれました。もちろんそういう風に建てると尖った印象が強くなるのですが、角が丸く曲線とすることで中和されていました。
ピッツバーグの旅もこれで終わりです。長距離運転でしたが、借りた車がホンダのシビックハイブリッド。停車すると自然にエンジンが切れとても静かでした。ハンドルが小さくて遊びが少なかったから慣れるまで少しかかりました。









