今年の柑橘シーズンはまだ中旬だけれど、久しぶりにズキューンと味覚を撃ち抜かれた逸品と出会ったお話をしたいと思う。もろ手を挙げて『最高!すばらしい!』と筆者を始めスタッフ一同ひざを打つほどの味。
その名は『愛媛果試第28号』
えひめかしだいにじゅうはちごう
と読む。『紅まどんな』として一般には流通している。全農えひめが商標登録している名前なので、農協から仕入れないとこの名では販売できない。愛媛県でのみ栽培されている柑橘だ。オレンジと同じくらいの大きさ。
果肉のち密さ、ゼリー菓子のような濃厚な甘さ、そして最大に重要なのが抜けの良い酸味と極上の香りである。え、去年までこんなに美味かったっけ?というほどの出来。思わず感動する美味さ。無限に食える。
果物は甘さだけあっても物足りず、程よい酸味と香りが美味しさの決め手であると私は強く思う。その絶妙な酸味が、Kさんの愛媛試第28号にはあった。
例年、同じ農家さんから仕入れて試食しているが、今シーズンは何故か別物かというほどに極上。高みに上り詰めた超絶技巧と昨シーズンの気候がなせる技なのか。すごいぜKさん。
しかし、やたらと日持ちが悪かった。
すぐに一部がとろけてくる。腐っちゃうのだ。
まあ、そんな欠点も余裕で許せるほどの逸品柑橘であった。
であった。
でした。
なぜ過去形なのか。
あっと言う間にシーズンが終わっちゃったのよ(涙)。
もう入荷もない。くうう。
柑橘仙人のようなKさんも80代後半のご高齢。後継ぎもいらっしゃらないと聞く。この至上の技が消えてなくなるのかと思うと寂しさが募る。ちなみに、Kさんの他の蜜柑も絶品揃いである。
☞ ひじきが提供する3つのサービス
1:グラフィックデザイン制作
料金は内容による
2:絵画、アートワーク
料金はご相談
3:撮影、写真提供
1時間1万円~(交通費別)
☞ このブログを書いているヒト
八百屋ではたらくアーティスト ひじき
(画家/写真家/グラフィックデザイナー/ロッケンローラー/八百屋)