みなさん、こんばんは^^



すっかりご無沙汰してしまい
すみません。
みなさん、
いかがお過ごしでしょうか?



東北も先日梅雨明けし、
今日の宮城も青い空が広がる
暑い一日となりました。



暑さに弱い私は、
汗と紫外線でアレルギーを起こし、
皮膚科通いをしています(´_`。)



早く涼しい秋になって欲しい。



久しぶりの更新ですので、
語れば長くなることが
たくさんあったのですが、



一番ウェイトを占めているのが
娘の進路のこと。
学校からやいのやいのと(;^_^A



高校受験であたふたしていた日々が
まるで昨日のことのように鮮明なのに、
高校に入ったら入ったで
今度は大学受験。



方向性は決まっているものの、
どこにどう進めばいいか、
本人にも分からないようです。



そんな娘が先日、
学校主催のオープンキャンパスツアーで
東京に行きました。



卒業生が進学した東京にある、
いくつかの大学にお邪魔してきました。



仙台の大学にしか
行ったことがなかった娘にとって、
東京の大学は
どこも「すごーい」の連続だったみたいです。



その大学に在学している卒業生達が、
(ちょっと表現おかしいけど)
気さくにキャンパスを案内してくれたので、



行く前は緊張していた娘も
帰ってきての第一声が、
「すごく楽しかった〜!!」でした。
友達も出来たみたいで。
良かった、良かった^^



どの大学もレベルが高すぎて、
娘には全く無縁の大学ばかりなので
行っても意味がないと、



ちょっと斜めに感じて
ツアーに送り出した私でしたが、
娘には楽しい経験になったようです。



その中のある大学の
パンフレットを読んでみました。
すごく印象的な文章が
書かれていました。
(長いですけど載せますね)





『君たちが世界だ。
世界を作るのは君たちの言葉だ。

世界が間違いを犯そうとするとき、
君はそれを止める力を持てるか。

君はそれを止める言葉を持てるか。

世界が愛を失いそうになっているとき、
君はそれに光をあてることができるか。

君はその光に仲間をあつめることができるか。

世界を動かそうとするとき、
君はまず目の前にいるひとりを
動かさなければならない。

そのひとりの胸のなかにある心を
動かさなければならない。

つまりそれは、
ひとりの心を動かすことができたなら、
世界を動かすことができるということだ。

君の言葉は、
国境を越えて、人種を越えて、時を越えて、
文化を越えて、それを必要とするひとに届くか。

世界に届く言葉をもて。
その言葉で責任をもて。

◯◯(大学の名前)は、
そういう人間を作る場所だ。

その言葉を学ぶ場所だ』





大学に何のために行くのか?



みんなが行くから自分も行く。
ただ何となく行くとか。
将来の夢を叶えるために行くとか。



行く理由は人それぞれですが、
これからの世界を作っていくのは
私達の子供や孫。



世界のために
他ならぬ自分のために、



”自分の言葉を持つ人に育ってほしい”



この文章を読んで、
ふとそんなふうに思いました^^






さて、話は変わりまして、
ホミン不足を補うため、
何気なく読んだBLコミックに
最近どっぷり浸かっています^^



ヨネダコウさんの
「囀る鳥は羽ばたかない」という
作品です。






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本屋でよく平積みにされていて
売れているんだなーと
以前から横目で見てはいたんですが
表紙のインパクトがあまりに強くて、
敬遠していた作品でした。



っていうのも、
内容がヤ◯ザもので、
しかも主人公がドMの変態でいんらん、
そして真誠会の若頭。



その相手が元警察官で前科があり、
不能で無骨で生真面目で…っていう
この設定が正直すごく苦手で
読む気になれませんでした。



…なのに、なのに。



アマゾンのレビューの多さに
時間潰しに読んでみるかと
軽い気持ちで古本屋で1巻だけ
買ったんですが、




これが想定外に面白かった!!!




立て続けに2巻、3巻を新刊で買い、
5度、6度と読み返すハマり具合。
読む度に感じ方が変わるのです。



台詞のないシーンの表情や
台詞に込められた感情を
何度も読み返しては考察してしまう。



そうさせてしまう何かが、
この作品にはあるのです。



もちろんヤ◯ザものですから、
主人公の八代(受)は
殴ったり蹴ったりしますし、



その部下である百目鬼(攻)は
盲目的なまでに八代に従って、
色々な命令を(恥ずかしい事まで)
黙々と忠実に遂行します。





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絶対服従の主従関係




暴力的なシーンがかなり多いですし、
私も本来そういうのは苦手なのですが、



それでもこの作品には
惹かれる何かがある。
読む度に発見がある。



決してさらっとした内容では
ありません。
主人公も脇もくせ者だらけです。



そして八代(受)は誰の前でも、
誰とでも本能の赴くまま
所構わず平気でやる節操なしで、
イケメンだけどなんか違う…?






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主人公の八代





年がら年中、
下のことしか頭にないと
八代は言い切り、



部下達は、
「頭(八代)は下が緩い」
「言うことやることおかしい」と
八代をそんなふうに言いつつも、
慕っています。



そして、
部下の一人の百目鬼はというと…



「頭は優しくて強くて
綺麗な人です」






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どこまでも八代に忠実な百目鬼





「初めて頭(八代)を見て、
立ってるだけですごく綺麗で
こんなに綺麗なひとがいる世界なら
ヤ◯ザもそう悪くないと思いました」



八代が何を言おうが、
八代が誰と何をしようが、
百目鬼に何を言い、何をしても、
百目鬼は八代を「綺麗だ」と言い張り、
「そばに置いてください」と懇願します。



「よく見ろよ。
そんな綺麗じゃねぇから」



「…綺麗です」



「バカ」



八代にモラルは存在せず、
聖人とはまるで無縁。
だけどなぜかどこまでも綺麗で、
何物にも染まらない透明感がある男。



そんな八代に惹かれてやまないと
言い切る百目鬼。



1巻に百目鬼の妹のエピソードが
あるんですが、



それを読んでから、
だらしない八代に対する私の感じ方が
180度変わりました。



人の生き方って
綺麗なばかりではいられないもの。



見た目の綺麗さと
魂の綺麗さは別物だと思いました。



「俺みてえな人間に
まともなレンアイなんて
出来るわけねぇ」(八代)



生い立ちが原因で、
何もかも自己完結することで
自分を守ろうとする八代。



そんな八代と百目鬼が
これからどうやってレンアイするのか、
どうやって距離を縮めていくのか、
楽しみです^^



まだ連載は続いていて、
生々しい表現が多い作品ですが
興味をもたれた方はぜひ。
おすすめです^^





さて、
ホミン脳が枯渇状態に近くなっています。
いくら動画やらサジンやらがあがっても、
ツーショットじゃないと萌えない。



根っからの腐脳なもので。



最近はほとんど
二人の情報を追っていませんし、
追う気にすらならない。



だから、お願いです。





ツーショットください。





切なる願いですm(_ _ )m







さて、今日も妄想小説です。
「 青い空を見上げて 22」の続きです。



久しぶりに書いたので、
感覚がずれてしまっていますが…(;^_^A



ちなみに今日は
萌えの表現はありません。



明るい内容ではありませんから、
読んで辛くなる方もいらっしゃるかも
しれません。



深刻な内容は苦手…という方は
ご遠慮くださいね。



顔面管理に自信がない方、
背後注意、
前後左右確認OKですか?



これは全てフィクションです。
広い心で読み流してくださいね。



BL小説ですので、
苦手な方はここでページを
変えてくださいね。



続き物になります。
続きはまた、後日に^^




厳しい暑さが続きます。



みなさん、
どうか気をつけてお過ごしくださいね^^











青い空を見上げて 23










「長すぎたんだよ」



俺はぽつりとつぶやいた。



「おまえ達はあまりにも
長い間二人きりでいすぎた。
どんな時もいつも二人でいた。
俺にはおまえ達が、
周りに対して頑なに見えた」



俺はそこでそっと息を吐き出し、
自分の手元に目を落とした。



「あんまり長く二人一緒にいたから、
おまえは兄弟愛を恋愛感情だと
思い込んでるんだ。
あいつと離されて焦っているのも
あるだろうし」



少し冷静になれよ、と
最後にそう付け加えて、
俺はユノの目をじっと見つめた。



ユノの黒く澄んだ大きな瞳に
俺の姿が映っていた。



でも、
その瞳に動揺の色は全く見えず、
ただ静かに俺を見つめ返していた。



それを見た途端、
俺はひどく物寂しい気持ちになった。



その瞳は、
言葉で語る以上に雄弁に
俺に訴えていた。



それに気づいてもなお、
俺はこいつの未来のために
否定しなければならないと思った。



例えて言うなら、
それは、はしかみたいな感情だ。



時が過ぎて、
あれは思い違いだったと、
いつかきっと目が覚める日が来る。



後悔しないように
俺が今修正してやらなくては。



やがてユノは
ゆっくりと首を横に振り、
暗い窓の外に視線をそらした。
あの男を思っているのだと思った。



「思い違いじゃない。
家族だなんて思っちゃいない。
オレは愛しているんだ」



「愛している」と絞り出すように
その口から発せられた言葉に
俺はかすかに眉を上げた。



その言葉の重さ。
込められた感情の深さ。



ぶれることのない
固い決意がにじみ出た、
静かすぎる告白に、



ずきりと胸が痛んだことに
俺は狼狽えた。



「愛しているだって?
そんなのありえないだろう」



狼狽を押し隠し、
努めて優しい声で否定する。



「兄さんは、
どうしてそう言い切れるの?
俺の心の中が見えるとでも言うの?」



目をすがめたユノが、
小さく肩をすくませて
穏やかに笑いながら問いかけてくる。



「だっておまえ、
昔からよく言ってたじゃないか。

いつか結婚したら、
庭つきの大きな家を買って、
奥さんがいて子供がいて…

おまえの帰りを待っていてくれる。
ごく普通の夢を持ってただろう?
それにあの時だって…」



言いかけて、
俺は口をつぐんだ。



「あの時」
思い出したくもない、
口にしたくもないあのことを
俺は言葉にするのを躊躇した。



まるでそれを真実の愛だと
認めてしまうような気がして。



「あの時…俺が聞いた時、
断じてそれはないって言い切ったのを
おまえは覚えているか。

今言っていることが真実なら
おまえはその夢を自ら手放したって
宣言したのと同じだ。

おまえは夢を簡単に捨てるような
人間じゃない。そうだろう?」



あの時がいつを指すのかは
言葉にしなくても、
ユノは解したようだった。



夏のあの日。
路地裏にいた二人。
今でもあの男が俺を見た瞳を
忘れられない。



俺を見たあの瞳を。
まるで挑むような。



「色々なことがあったから
お互いが唯一無二の存在になるのは
仕方ないことだと思う。

おまえはずっと
あの男を雨風よけて大事に守ってきた。

あいつのほうも、
そんなおまえに甘えていたから、
可愛くて情がわくのは当然だと思う。

でもそれは、
恋とか愛とかとは違う」



「違わない」



ユノが間髪入れずに
低く押し殺した声で否定した。



「嘘はついてない」



そして視線を揺らした後、
うつむいて、かぶりを振った。



「あの頃は…
あいつが可愛くてたまらなかったし、
あの時していたことに
性的な意味もなかったよ。

フィジカルな関係になりたいとも
思っていなかった。

でも、そうなってはいけないと
思っていたというほうが、
正しいかもしれない」



ユノは
膝の上で組み合わせていた手を
強く握りしめ、
自嘲じみた笑いを浮かべる。



「きっかけはわからない。
いつの間にか好きになって、
抱きたいと思うようになっていた。
…兄さん、抱きたいと思う感情は、
恋や愛とは関係ない?」



問いかけながらも、
ユノは俺の言葉を待ってはいなかった。
すでに出した答えを、
問いかけという形で再確認しているに
過ぎなかった。



「ずっと抑えていたのに、
ある時、抑えが利かなくなった。
オレのほうから手を出した。
あいつだって、
すんなり受け入れたわけじゃない。
…今もそうだ」



夏の日の出来事。
違うという言葉をあの時、
俺は信じた。



目に映った不快極まりない光景を
記憶の彼方に封印した。



それが今頃になって
こんな形でこいつの口から
露呈されるとは。



「兄さんになかなか言えなかった。
絶対に反対されると思ったから。
…こんな形で話すことになって
申し訳ないと思ってるよ」



ユノはそこまで話すと
急に語気を強くして言った。



「だけど、兄さん、
オレ達は二人の将来について
今、真剣に考えて向き合っている。
その中に、
逃げるという選択肢はない」



チャンミンは二人の関係を
きっぱりと否定していた。



違うと。



世間の誤解を解きたいのだと、
そのために協力して欲しいと、
俺に向かって深く頭を下げたのは
ついこの間のことだ。



二人の将来。



その考えは、
ユノの一人相撲ではないのか。
身を引こうとしているあの男を
引き留めているだけじゃないのか。



「どうして普通に生きようとしない」



俺はつぶやいた。
自然に口からあふれだしただけで
問いかけたつもりはなかったのに
ユノは律儀に返事を返した。



ただしその内容は
俺には到底理解し難いものだった。



「どうしてと聞くの?
別に特別な理由なんてないよ。
強いて言うならみんなと同じだ。
さっき兄さんは普通の夢と言ったよね。
…オレ達だって普通だよ」



「みんなと同じ?」



何が同じなんだ。
何が普通なんだ。
そんなふうに言われても
俺には全然納得がいかない。



「それのどこが普通だ。
おまえは普通の意味を
分かって言っているのか?

男が好きだなんて、
自分の言っている意味が分かってるのか。

男同士じゃ結婚も出来ない。
子供だって望めない。
差別だってされるだろう。

おまえの両親だって悲しむ。
何一ついいことなんかない。
それでもいいって言うのか」



「兄さん」



ぴしゃり、と
有無を言わせぬ声音。
瞬間、ユノの瞳が冴え冴えと光った。



苛立っているのが分かった。
こんな様子のユノを見るのは
珍しかった。



ユノが、
俺の言葉に反論することは
ほとんどない。



ユノは小さく笑い、
ふっとため息をもらした。



「…ねえ、兄さん。
普通ってなんだと思う?」



夜にそのまま溶け込んで
しまいそうな静かな声だった。



「…」



「結婚して家庭を築いて、
庭付きの大きな家を建てて…
帰って来ると家には灯りがともっていて、
奥さんがオレの帰りを待っていてくれる。
ドアを開けると子供達が出迎えてくれる。
そんな生活が普通の幸せっていうの?」



ユノを見やったが、
質問の意味を汲み取ることが
俺にはどうしても出来なかった。



しかし、ユノが語った未来は
紛れもなく「普通」のことであり、
幸せなことだと俺には思えた。



ドラマックな人生などいらない。



平凡な日常こそが「普通」の幸せ。
何よりも俺が頭に描く幸福の形だと思った。



「そうだ。
だって幸せじゃないだろう、
おまえ達みたいな関係。

男同士で外で手を繋いで歩けるか?
恋人だって堂々と言うことが出来るか?

出来ないだろう?
だから黙っていたんだろう?

子供も出来ない、家族にもなれない、
そんな不毛な関係…」



愛する人と結婚し、暮らし、
その人との間に自分達の血をひいた
そして子供をもうけることが出来たら、
どんなにか幸せだろう。



「従姉の赤ちゃん抱いた時、
おまえはすごく嬉しそうだった。
心底幸せそうに見えたよ。

いくらあいつを好きでもな、
あいつがおまえに家族を作って
やることは出来ないんだぞ」



あんなにも柔らかくて、
弱くて、小さくて愛おしい存在を
腕の中に抱ける幸せを
誰よりも一番知っているのは
ほかでもないユノだろう。



ユノは深く息を吐いた。



「確かにオレは子供が好きだよ。
でも、子供が欲しいから結婚する、

あいつを失った代償で子供を作る、
それって幸せなことなのかな。

あいつを失ってまでして、
自分の子供が欲しいとは思わないんだ」



他人の子供ですら、
あんなにも愛おしむことが出来るのに
それなのにどうしてそんな幸せを
自ら手放そうとしてるんだ。



俺達二人は以前から、
そんな平凡な幸せを折りにふれ
語り合ってきたものだった。



ありていでいて、
確かな幸せの重みというものを
誰よりもおまえはよく
知っているはずなのに。



「オレ達二人は不幸に見える?」



ユノが唐突にそう言った。
黙り込んだ俺に向かって、
どうなの?と
再び問いかけてきた。



不幸には見えない。



それを口には出来なかった。



でも、
不幸になろうとしている。



俺はうつむき、
両の手のひらで顔を覆った。



もうだめだった。



止まらない。



流れ出す涙が、
頬を、手を濡らした。



悲しいからではない。



なぜ伝わらないのか。



苛立った気持ちが涙になって
次から次へと溢れ出してくる。



「兄さんの言っていることは
間違っているわけじゃない。
お互いの幸せを考えて、
オレ達が別れることも
ある意味正しい選択だとオレも思うけど、」



そこまで話して、
ユノはそこで一旦言葉を切ると、
なだめるような声音ではなく、
まるで俺の気持ちを引き裂くように
凛として言った。



「だけど、正解ばかりが
幸せだとは限らないと思ってる」



涙で覆われた視界が歪む。



ユノ、と小さく名前を呼んだ。
音をなくした世界の中で
うわごとのように俺は名前を呼んだ。



ユノが、
どこか遠くに行ってしまうような
そんな気がした。



ユノは痛ましそうに俺を見て、
うっすらと笑った。



「幸せの形なんて人それぞれだよ。
それがオレ達二人で出した答えなんだ」



その笑顔に、
急に背中がひやりとした。
黙って見つめていると
ユノはふっと肩を落とした。



「ご両親は知っているのか?」



顔をあげ、
俺がそう問いかけると、
ユノは寂しそうに首を振った。



「まだ話していない。
だけどいずれはと思ってる。
タイミングが合えば早いうちに」



その言葉を聞いて、
俺の頭の中に、



まだ猶予がある。



そんな考えが唐突に浮かんだ。
まだ間に合う。
引き返すことは出来るはずだと。



「兄さん、今日はもう寝よう」



俺に反論する余地を与えず、
ユノが立ち上がった。



弾かれたように顔を上げた俺に
話はもう終わりだと態度で示され、
俺は口をつぐんだ。



こうなるとユノはもう
俺の話を聞いてはくれないだろう。



俺はあきらめて、
おやすみ、とその背に声をかけた。



おやすみ、兄さん…と
小さくユノが答えた。



闇に消えていく
ユノの後ろ姿を見送りながら、
俺は頭を抱えた。



ユノの告白は
寝耳に水の内容ではなかった。
あの二人はまさか…という疑念は
いつも頭の片隅にあった。



でも言葉にすると
「言霊」という言葉の意味そのままに
それが真実になってしまう気がして
どうしても聞けずにいただけだ。



いつだったか、
バラエティ番組で見た
ユノの姿が脳裏に浮かんだ。



とある公園にいた時、
ユノの足元にボールが転がってきた。



「お兄ちゃん、ボールとって」



小さな子供の無邪気な声に従って、
ビニールの柔らかなボールを
ユノが緩い力でそうっと投げ返した。



ボールはふわりと宙を舞い、
バウンドしたボールは
子供の足元に届いた。



「ありがとう」と屈託のない
笑顔を浮かべる子供の隣りで
ユノに向かって頭を下げる両親に
ユノも会釈で返した。



何かを話しながら、
おだやかに背を向けた親子を見て、
ユノは柔らかな笑みをこぼして
見送っていた。



あの光景にユノを重ね合わせる。



子供を真ん中にして
いつか巡り合うべき女性と
幸せそうに手を繋いで歩いて行く
ユノの後ろ姿。



確かあの時、
あいつはどうしていた?



まぶしい笑顔を浮かべる親子と
その姿を見送るユノの隣りで
あの男はうつむき加減で苦笑していた。
あの時の苦笑の意味は何だったのか。



いつかユノの周りの友人達も
大切な人と出会って、
結婚をして、
やがて家族になるだろう。



その時、
ユノが立っている場所は
どこだろう。



普通を捨てて、
幸せになれるのか?



…ユノを想うという、
おまえの本心は一体どっちだ?



俺は拳を握りしめた。































…つづく





































いつも来てくださっている方、
ふらっと立ち寄ってくださった方、
最後まで読んでくださって、
ありがとうございました。

今週がみなさんにとって
素敵な一週間になりますように。

画像は一部お借りしています。
ありがとうございます。