「仙丹の契り 僕僕先生」仁木英之 | ひいくんの読書日記

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ひいくんが、毎日の通勤電車の中で読んでいる本を紹介します。
通勤時間は30分ほどなので、軽い読物がほとんどです。

師弟より近く、恋人より遠い関係のまま、ゆるゆると旅を続ける僕僕先生王弁を描く“僕僕先生シリーズ”の第8弾です。
ついに僕僕先生王弁の中に進展がみられるのでしょうか。

物語は、前々作『鋼の魂 僕僕先生』の後からスタートします。
程海に残ることになった薄妃蒼芽香と別れ、久しぶりに僕僕先生王弁は2人で吐蕃に向かい旅を再開します。
2人がやってきた吐蕃の国境に近い村では、原因不明の病が蔓していました。
そして、この病の根源が奇怪な毒をばらまくデラクと名乗る奇怪なおねえキャラの仕業と知った僕僕先生王弁は、デラクと対決することになります。

からくもこの戦い切り抜けた僕僕先生王弁は、国境の町マルカムにたどり着きますが、王弁は村人からもらった報酬を賭場で巻き上げらてしまいます。
マルカムの城では、長官ダー・バサンとその腹心のテンツォが病に倒れ、医者薬師を集めていました。
失ったお金を補填するため、その募集に応じた王弁は、そこで旧知の吐蕃の医師のドルマと再会し、2人はタッグを組んで、チャレンジしますが、テンツォから患者に触れずに診断してみろという妙な条件を出され、苦戦を強いられます。

一方、王弁からお金を巻き上げた賭博の胴元田欧は、劉欣の先輩にあたる元胡蝶の間者で、劉欣と同様に胡蝶を抜けていました。

さらに、僕僕先生王弁は、吐蕃テムジンの後継者争いにも巻き込まれることになります。

ネタバレになるといけないので、紹介はここまでにしておきますが、劉欣養父母ドルマとその両親という2組の親子の関係がこの作品のテーマだと思います。

そして、何といっても病を癒す秘薬“仙丹”を作るために、僕僕先生王弁に交わりを迫るシーンも見どころです。

王弁の成長が感じられ、いよいよ僕僕先生王弁の旅の物語も終幕が近づいてきたようです。

 


表紙のイラストと本文中の挿絵は、これまでの7作と同様にイラストレーター三木謙次さんです。
僕僕先生王弁デラクドルマ田欧が描かれています。
三木謙次さんの公式サイトはこちらです。→http://www.mikichannel.net/ 
また、“僕僕先生シリーズ”の公式サイト“ぼくぼくステーション”はこちらです。→http://www.shinchosha.co.jp/bokuboku/ 

[2017年5月9日読了]

僕僕先生シリーズ”のこれまでの作品を紹介したページは次のとおりです。
第1作『僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-10771465928.html
第2作『薄妃の恋 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-10773501561.html
第3作『胡蝶の失くし物 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-10979758873.html
第4作『さびしい女神 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-11458792968.html
第5作『先生の隠しごと 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-12020028605.html
第6作『鋼の魂 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-12664746771.html
第7作『童子の輪舞曲 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-12665995563.html