師弟より近く、恋人より遠い関係のまま、ゆるゆると旅を続ける僕僕先生と王弁を描く“僕僕先生シリーズ”の第8弾です。
ついに僕僕先生と王弁の中に進展がみられるのでしょうか。
物語は、前々作『鋼の魂 僕僕先生』の後からスタートします。
程海に残ることになった薄妃と蒼芽香と別れ、久しぶりに僕僕先生と王弁は2人で吐蕃に向かい旅を再開します。
2人がやってきた吐蕃の国境に近い村では、原因不明の病が蔓していました。
そして、この病の根源が奇怪な毒をばらまくデラクと名乗る奇怪なおねえキャラの仕業と知った僕僕先生と王弁は、デラクと対決することになります。
からくもこの戦い切り抜けた僕僕先生と王弁は、国境の町マルカムにたどり着きますが、王弁は村人からもらった報酬を賭場で巻き上げらてしまいます。
マルカムの城では、長官のダー・バサンとその腹心のテンツォが病に倒れ、医者と薬師を集めていました。
失ったお金を補填するため、その募集に応じた王弁は、そこで旧知の吐蕃の医師のドルマと再会し、2人はタッグを組んで、チャレンジしますが、テンツォから患者に触れずに診断してみろという妙な条件を出され、苦戦を強いられます。
一方、王弁からお金を巻き上げた賭博の胴元の田欧は、劉欣の先輩にあたる元胡蝶の間者で、劉欣と同様に胡蝶を抜けていました。
さらに、僕僕先生と王弁は、吐蕃の王のテムジンの後継者争いにも巻き込まれることになります。
ネタバレになるといけないので、紹介はここまでにしておきますが、劉欣と養父母、ドルマとその両親という2組の親子の関係がこの作品のテーマだと思います。
そして、何といっても病を癒す秘薬“仙丹”を作るために、僕僕先生が王弁に交わりを迫るシーンも見どころです。
王弁の成長が感じられ、いよいよ僕僕先生と王弁の旅の物語も終幕が近づいてきたようです。
表紙のイラストと本文中の挿絵は、これまでの7作と同様にイラストレーターの三木謙次さんです。
僕僕先生と王弁、デラク、ドルマ、田欧が描かれています。
三木謙次さんの公式サイトはこちらです。→http://www.mikichannel.net/
また、“僕僕先生シリーズ”の公式サイト“ぼくぼくステーション”はこちらです。→http://www.shinchosha.co.jp/bokuboku/
[2017年5月9日読了]
“僕僕先生シリーズ”のこれまでの作品を紹介したページは次のとおりです。
第1作『僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-10771465928.html)
第2作『薄妃の恋 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-10773501561.html)
第3作『胡蝶の失くし物 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-10979758873.html)
第4作『さびしい女神 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-11458792968.html)
第5作『先生の隠しごと 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-12020028605.html)
第6作『鋼の魂 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-12664746771.html)
第7作『童子の輪舞曲 僕僕先生』(https://ameblo.jp/hiikun-book/entry-12665995563.html)