ディミトリス・パパイオアヌー京都公演 | ナスターシャのブログ

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音楽、芸術、京都をこよなく愛します♪

 

またまたご無沙汰しておりました。

 

毎日猛暑続きですが、

みなさまにはお元気でお過ごしでしょうか(*‘∀‘)。

 

きょうは久しぶりに、

ロームシアター京都に行き、

素晴らしい公演を見たので、

少しだけでも、記録のため書きます。

 

写真にありますように、

ディミトリアス・パパイオアヌーさんという

ギリシャ人の男性振付家の公演です。

アテネ五輪の開閉式を演出した方だそうです。

 

ダンスというかセリフのない演劇というか・・・

 

2019年に初来日してすごく話題に

なったということで、事前に電子チケットを

予約して、行ってきました。

 

ダンサーは、

黒いスーツを着たスタイリッシュな男性6人と、

女性は若い方と年配の方の2人。

 

もうなんていっていいかわからない、

最初から最後まで驚きの舞台でした。

 

音楽はヴィヴァルディ。

 

舞台上の端で点滅する蛍光灯。

ドアをあけて男性がでてきて、

はしごにのぼって蛍光灯を

直そうとしているのか。

 

わちゃわちゃ男性がでてきて、

ひとつの動きを見ていると、

別のところでへんなことをしていたり、

とにかく目が離せません。

 

そのうち大きな牛がでてきます。

(たぶん作り物です笑)

 

そのうち、みなさん脱ぎだして、

いろいろ絡みあったり、

2人ずつで裸体を絡ませながら

よつんばいで獣のように歩いたり。

 

最後にはあっと驚く仕掛けもあり、

とにかくあまり見たことのない、

舞台でした。

本当にびっくりしました。

 

終わってホワイエでアフタートークがあり、

ほとんど帰ったお客さんいないのでは

と思うくらい、座ったり立ったり

ぎっしりのお客さんが残って、

パパイオアヌーさんのお話を聞きました。

 

英語の通訳つきで、小一時間くらい。

 

とても面白い内容でした。

 

 

男性、女性ではなく、

男性性や女性性がテーマの一つで。

だれしも内面に抱えている。

 

この作品を作ったきっかけは、

父が病気になったこと。

強かった父が弱くなっていく。

古いものが終わっていく。

 

父、強い男、男性性を、牛で象徴した。

 

6人の男性ダンサーは、

1人の男性、男性性をあらわしている。

1人を複数名で表している。

 

女性ダンサー(1人)は、

すべての女性を表している。

 

女性は水。

男性はいつものどがかわいている。

 

など作品づくりにかかわることを、

話しておられました。

 

熱心な客に見守られ、

質疑応答が続きました。

 

わたしが印象的だったパパイオアヌーさんの言葉は、

公演(作品、舞台)は、

自分の意見を提示する場ではない。

アーティストだから、

意見を示すレベルにとどまっててはいけない。

もっと人生の深いところを掘り下げて、

「表現」をしているのです。

 

というところでした。

 

そして、

「幻想」についての話も印象的でした。

舞台が始まると観客は幻想をみる、

その幻想を膨らませていく、

といったようなはなしだったように思います。

 

客の想像力に期待する、

というよりは、

もっと詩的な言葉で、

語られていました。

 

あと、日本の観客について、

世界でも最も静かな沈黙、静かさを

共有できる観客だと、

言われていたように思います。

沈黙、静けさと、ゆっくりとすることを、

舞台上のわたしたちは共有できる、実現できる、

といった話だったと思います。

ゆっくりとすることを許される、というか。

 

といった話が、特に面白かったです。

 

きょう見た舞台の題名は、

「トランスバース・オリエンテーション」。

 

日本語訳は難しく、しなかったそうです。

 

スタイリッシュでありながら、

生々しくて、

性的でありながら、

遊びや労働、父性や母性も感じさせ、

牛(のオブジェ)がでてくると、

男性たちが獅子舞を操るような牛のリアルな動きが

ハラハラとさせて・・・

 

こんなふうに、

見たこともないような舞台作品を

作る人たちがいて、

海外からものすごい物量の装置を

持って来て(たぶんもってきていると思います)、

日本公演をしてくれたことに、

感謝します!

 

いや~~~

本当に面白かったです!!(≧▽≦)

 

語彙不足でうまく説明できませんが・・・

 

さいたま公演もみて、

京都にも見に来た、というお客さんが、

何人かいらっしゃいました。

 

わたしを含め、

観客がとても熱心で夢中になったことが、

よくわかる反応、拍手、カーテンコールでしたし、

アフタートークでした。

 

また機会があれば、

ぜひ見たいパフォーマンスでした!