ブリテン「ピーター・グライムズ」 | ナスターシャのブログ

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音楽、芸術、京都をこよなく愛します♪

関ジャニ∞のニューアルバムリリースがあったので、

最近はエイトや大好きなすばるくんの記事ばかり

書いておりましたが、せっかく見に行ったコンサートや

オペラがありますので、記録のためにも

書いておきたいと思います。


それにしても、年配の人から、

かんじゃにえいとのことを

「せきじゃにむげんだい」と言われて愕然・・(^^;

ルビをふらないと、

まだまだちゃんと読んでもらえないのね。

ぎゃふん。


ずいぶん時間がたってしまいましたが、

10月14日は、大阪音大ザ・カレッジ・オペラハウス

に、今年生誕100年を迎えるイギリスの作曲家、

ブリテンによるオペラ「ピーター・グライムズ」を

見に行きました。


関西ではめったに見られない作品の上演です。

なかなか素晴らしかったです。


■「ピーター・グライムズ」■

(プロローグと3幕)

原語(英語)上演・字幕付き


指揮:高関健


演出:中村敬一


管弦楽:ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団


合唱:ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団

    大阪音大 学生選抜メンバー



ピーター・グライムズ: 小餅谷哲男


エレン・オーフォード: 平野雅世


バルストロード船長: 枡貴志




高関さん指揮のオーケストラの音楽が、

素晴らしかったです。


20世紀の傑作といわれるこのオペラ。

プロローグから最終の第3幕第2場までを、

6つの間奏曲でつなぎます。


この間奏曲がとても美しかったり、

嵐や、おそろしい物語

・・・・・秩序を守りたい村人たちが、

暗黙のうちに、はみだしものの漁師ピーター・

グライムズを死においやる・・・・・・の行く末を

描写していたりして、とても聴き応えがありました。


プログラムの解説によると、

このオペラはブリテンが、

まだ30代初頭くらいに作った音楽、

「魔術的な」音楽、らしいです。


オペラの原作となったのは、

ジョージ・クラッブの長編詩「町」。


オペラでは、主人公ピーター・グライムズを、

漁をする中で徒弟の少年を死なせてしまった、

単なる粗野で乱暴な漁師として描くのではなく、

むしろ、「ムラ」という共同体の犠牲者、という視点で

描こうとしている、という。


多分とても難しい演奏だと思うのですが、

高関さんの統率がすばらしいのか、

オケの音楽がみずみずしく、豊かです。

冒頭の裁判の様子や、村人たちが口々に

ピーターをうわさして「総意」が築かれていくところなど、

緊張感がみなぎった音楽が、維持されていました。


音の響きを口で説明するのは難しいですが、

ブリテンの音楽の、

不安感を抱えつつの透明感というか、

美しさに、とても惹かれます。

多分、自分がとても好きな作曲家なのだと思います。


歌手陣、合唱、子役さんも、

みな健闘されていました。


アカペラのような、途中で、

演奏なしで歌い始めるところがあり、

すごいなと思いました。

たしか合唱でもソロでもあったような。

見事でした。


関西でもこうした現代オペラを拝見する機会を

作っていただいて、ありがたいことです。

DVDもありますが、なるべく生音でナマの舞台を、

覚えておきたいものです。

しかし怖いわ、このお話。


カレッジ・オペラハウスは今後も楽しみです。


2014年の20世紀オペラ・シリーズは、

細川俊夫の「班女(はんじょ)」、

鈴木英明の「鬼娘恋首引(おにむすめこいのくびびき)」

を、2014年10月11、13日に上演されます。

指揮は山下一史さん、演出は井原広樹さんです。


そしてそして、創立100周年記念オペラとして、

2015年10月30日、11月1日には、

下野竜也さん指揮、岩田達宗さん演出で、

ヴェルディの「ファルスタッフ」が上演されます。

楽しみです~♪