今回は、都心の廃校巡りですが、大阪市北区で3校と中央区の現役校舎１校のみの
短編となります。
北区の中心部は全国有数の規模を持つ繁華街「梅田」で、デパートや商業施設、
超高層ビル群などが立ち並んでいます。
また放送局や新聞社などのマスメディアも数多く立地し、中之島には大阪市役所や
日本銀行大阪支店もあるなど、重要な施設が集中しているのも北区の特徴です。
一方、都心部はドーナツ化現象で児童数も激減しており
廃校も多いのも特徴です。
但し、地方の廃校と異なり、すぐに解体・撤去され新しいビルに建替えられて
しまうため、現存している校舎は少ないです。
北天満小学校（2004年閉校）
地下鉄天神筋橋6丁目駅から路地を西側に入った場所にあります。
天神筋橋商店街は、南北2.6キロメートル、600店の日本一長い商店街で有名です。
校舎正門は道路沿いにあり、周囲は雑居ビルやアパート等が立ち並び
雑然とした雰囲気です。
北側に回ると校庭が開け、校舎の全貌が見えました。
校庭は芝生が整備され、鳩が飛び降り歩き回っていました。
閉校後の2006年（平成18年）より、NPO団体と住民が協力して、校庭の芝生化に
取り組んでいるとのことです。
ビルの谷間の廃校にも、憩いと安らぎの場所として再生する試みがありました。
児童の姿は消えても、芝生の緑は輝き続けるでしょう。
大阪北小学校（2007年閉校）
曽根崎のお初天神通り沿いにあります。
人通りの多い場所なので、ご存知の方も多いと思います。
アーケード街からは一部しか見えませんが、南側に回ると
全貌が見えます。校庭はビルの新築工事現場と化しておりました。
校舎が解体されるのもそう遠くないはずです。
アーチ窓の4階建ての立派な校舎です。
別の目的で再生できればと思います。
旧中津南小学校（2010年閉校）
北区中津6丁目にあります。
校舎は国際学校（大阪YMCAインターナショナルスクール）と
なっておりました。
青や赤の帯が校舎に新鮮なアクセントを与えています。
解体を免れ、第二の人生を送ることになった校舎の好例です。
愛珠（あいしゅ）幼稚園（現役）
大阪市中央区のビジネス街にあります。
明治13年（1880年）に開園した現存する日本最古の幼稚園です。
政府の支援によらず民間（北船場連合町会）の手によって建てられました。
お上に頼らない船場商人の心意気を感じます。
幾度の戦火や劣化による解体を免れ残っていることが不思議です。
幼稚園舎は、国（文化庁）より重要文化財建造物の指定を受けています。
高層ビルの林立する中で、対照的に和風入母屋屋根の落ち着いた佇まいです。
園児はスクールバスで通園しているのでしょうが、見掛けたことがありません。
遊びまわる校庭も無いようです。
実は、隣接する旧緒方洪庵邸・適塾も訪れたかったのですが、改修工事のため
養生テントに覆われ見れませんでした。残念！