私の子どもたちは、完全に鉄男=電車好きです。


その話を職場の方にすると、水戸岡鋭治さんの「電車のデザイン」という本を貸してくださいました。正確には、今日新しい本を譲っていただくことになっています(喜)


水戸岡さんは、JR九州の車両、駅、制服など、あらゆるデザインを20年手がけていらっしゃる、岡山出身のプロダクトデザイナーさんです。岡山では、岡電のmomoのデザインでも有名ですし、電車の他にも、横浜のクィーンズスクエアの設計などもなさっています。


JR九州は、予算がないため、新しいものを作るわけではありません。他のJRが作っている車両を、色やデザインを変えて、最後の仕上げを変えて、ベースとなった車両とは全く別のものを作り出しています。


子どもと本を見ながら、ソニックや、ゆふいんの森、つばめなど、九州の伝統工芸を多用し、懐かしくて新しい車両に、大人ながら良いな~と思っていたので、主人にその話を聞いたときには、驚いたものです。


印象に残ったのは、大きく2点あります。


ひとつは、水戸岡さんの仕事術。


仕事が上手くいく理由が、すべて書いてありました。人の心を動かすための企画、プレゼン、人を育てる視点など、一緒に仕事をした人は、きっと楽しいんだろうなと思いました。


また、公共に関わる者として、公共をデザインするという視点はとても勉強になりました。

「多くの人が望んでいることを翻訳・通訳して、色、カタチ、素材使い勝手に置き換え、表現していく」ことを心がけているのだそうです。


アートディレクターの佐藤可士和さんの著書にも、翻訳という言葉が出てきたことを思い出しました。新しいものを作っているのではなくて、必要とされているものを引き出し、形にするということ。この、本当に必要とされているものを見つけるのが、難しいのですが、日々の仕事の中にこそ、この視点を取り入れれば、翻訳する力がついてくるものかもしれません。


そして、もうひとつ、印象に残ったのは、「映し込む」という言葉。


人々が周囲の自然に溶け込ませて、風景の中に映し込んだものが、美しい街並みとして認識されるということ。車両デザインも、同じプロセスで、人々の「映し込んだ」イメージを表現しているのだそうです。


また、人が生きるということを、デザイン作業といい、一人ひとりが、デザイナーになったつもりで、自分の環境をデザインしていくことを勧めていらっしゃいます。特に、子育てについての行は、興味深い。

「動物は、みんな「映し込む」もの。そして、母親などの立ち居振る舞いや、家のインテリアなどの色彩感覚、食事のあり方など、まわりにあるものすべてを、自身の心象に映し入れていきます。一歩外に出れば、街並みの美しさを映し込んでいるのです。」


どんな大人に育ってほしいか考える前に、なってほしい大人に自分がならなければ!と決意を持った子育て初期を思い出しました。