さっきも書いたけど、小学生の頃から生き物が好きでさ、特に犬猫は大好きだったんだ。
どんな経緯か忘れたけど
オレは小学生の時、野良犬のクロといつも一緒にいた。
クロは、中型犬くらいの大きさで真っ黒の短毛の犬でさ
オレはマンションと団地の間みたいな変わったマンションに住んでたんだけど、そのマンションが立ち並ぶ一角に草で覆われた畳1枚分くらいのスペースがあったんだ。
クロはそのスペースが好きで、そこに段ボールをひいてあげたら住み着くようになった。
しかも、俺ん家から10秒で着ける。
オレは学校が終わったらクロと一緒にいつもどこか遊びに行ってた
友達と遊ぶ時も一緒についてきてた
今は野良犬なんか住み着いてたら、大人が騒ぎ立てるだろうけど
当時は違った。
みんな普通なんだよね、俺がクロを連れてる時なんかリードなんてないからね
今じゃ考えられないね
クロは、賢い子でさ
「クロー!」って呼ぶと、すぐ飛んでくるんだよね
とある日にさ
雨が降ってる夕方に
オレは用事あって自転車で駅に向かう事になったんだよね
クロの住処を通り過ぎる時に
ふと、「クロ」って呼んじゃったんだ
この日は電車に乗るからクロを連れていけないのに
そしたら、クロは土砂降りの中飛び出してきてさ
遊べると思ったんだろうね
凄い嬉しそうに
でも、電車に乗るから連れてけないし
時間も迫ってるしで
クロに「連れてけないから帰って!」って強く言っちゃったんだ
自分で呼んだくせに
クロは、凄い寂しそうに立ち止まってさ
オレは、振り切るように自転車こいだんだ
去り際に後ろを見たらクロが雨の中悲しそうに立ってた
その時、クロに悪いことした。
って凄い後悔したのを覚えてる。
そんなこんなで
クロと毎日の様に遊んで
信頼関係が出来て
クロは俺の親友になった
でも、お別れっていうのは
突然やってくるから悲しいね
凄い晴れた日だったな
クロと一緒に家の周りを散歩してたんだ
そしたら、いつもは無いもの。
普段はないものがそこにはあったんだ。
それは、車に轢かれた猫の死体
猫の死体は当時何回か見たことあったから、さほど驚かなかったけど
ビックリしたのは、次の瞬間
クロが猫の死体に向かって、執拗に吠え始めたんだよね
普段、クロは吠えないから
ビックリしてさ
クロ行くよ!って引っ張っても来ないし
猫の死体に向かってずーと吠えてる
暫く吠えっぱなしで動かない。
なんだよクロー!って思ってたら
トラックが近くに停まってさ
中からおじさんが降りてきたんだ
そしたら、おじさんが急にクロを捕まえて持って行っちまいやがった
保健所かなんかだったんだろうね
多分、ずーと吠えてるから近所から通報が行ったんだろうな
おじさんに何か言われたか覚えてないけど、連れてかれるクロがキャンキャン泣いてたのは覚えてる
あまりに唐突な事でポカーンとして
クロがいなくなったと理解してきたら
涙が出てきてワンワン泣いてさ
ボロボロ泣きながら家帰って
母ちゃんに話したら
保健所のおじさんに立ち向かわなかったのか?
みたいな事を言われて
何も出来なかった自分が情けなくなった。