樋口了一インタビュー vol.5.1
こんにちは。
宣伝マンKです。
樋口さんのニューアルバム「了~はじまりの風~」が本日発売となりました。
週末の3連休はインストアライブです。
是非、各会場、お近くの方はお越しくださいませ!
●11/23(金・祝) 14:00~山野楽器たまプラーザ店
●11/23(金・祝) 17:30~新星堂阿佐ヶ谷店
●11/24(土) 16:00~イオンモール与野
●11/25(日) 11:00~サビア飯能
*各会場にてCDをお買い上げのお客様には、CDにサインをいたします。
さて、今回のインタビューでは、アルバムに収録された曲の解説を頂きました。
では、どうぞ。
■今回のアルバム「了~はじまりの風~」に収録された曲についてお話をお願いします。
「春」
2004年4月。僕がまだ命の永続性というものを受け入れていなかった時の曲なんですが、2003年の大晦日に、札幌のきさらホールで札幌交響楽団とジルベスターコンサートやったんですよね。1/6とか歌ったりして。
それが終わって帰ってきて、正月があけた頃に友達から電話がかかってきて、友達が事故に遭ったと。
時速100kmのバイクに、彼は自転車に乗っていてはねられたと。
それで、ICUに入ってるんだけど医者はもう望みが薄いと。
そんなことで、大学の友人達で集まって、無いかやれることは無いかって。それで「あいつに念を送ろうって」ことになるんだけど、自分はそんな事信じていない時期だったけど、とにかくやれることやろうって。みんなであいつをイメージして、光みたいなもを送るということをずっとやってて。。。
それで、1月、2月、と2ヶ月くらい昏睡してて。そうしたらそいつが目を覚ましたんですよね。それがもうビックリして嬉しかった事と、その時、自分の息子が生まれる直前だったということが重なって、1回戻りかけた命と、どこからやってくるかわからないけども、新しく生まれる命のことを考えて散歩してたんですよ家の前を。
で、家の前が広陵とした梨畑で、吹きっさらしのある意味殺伐とした風景だったんですけど、春一番みたいなのが吹いてて。それで「ブアーーー」って風が吹いて。考え事してるときにその風で帽子が「ブアーーー」って飛ばされたんですよね。その時に、1番の部分にある「あー人生の第二幕が始まったなー」って感じたんですよ。それで、その時の思いを書き留めたくて、曲を作ったんです。
アレンジ的には、北海道のライブなんかではアコースティックでやってたんですけど、春は芽吹きとかうららかな面もあるんですけど、嵐とか風とか雷とかもあって、どちらかというと荒ぶる春っていうか。そっちの方に焦点を当てて作りたかったんで、結構バンドサウンドでいきました。
「1000kmの夏」
これは大分のテレビテレビ局の番組企画なんですが、子供達が毎年夏休みに100kmの道を歩くという恒例企画があって、それを無事に引率する役割の人がホンダブンシュウさん、通称“ ブンちゃん”という人で。
この人にはいくつか肩書きがあって、お寺の住職さんでもあり、支援学校の先生でもあり、こういうアウトドアのインストラクターみたいなこともやってて。
それで、この企画が今年で10年になるんですけど、去年から「来年10年の区切りを迎えるので、これで(この企画は)引退しようと思うんです。」という話になって。
今までその番組の中で使っていた曲があったんですけど、「良かったらこの引退する機会で樋口さん曲作ってくれませんか?」という風に言われたんですよね。
それで「毎年100kmで10年、、、じゃあ1000kmか。」なんて話してて。それで「1000kmの夏」っていうタイトルが思い浮かんで。「1/6~」の時と同じだったんですけど「1000kmの夏」ってタイトルが決まった時点で曲が出来た感じがしたんですよね。それで、「喜んでやらせてください」って言って作ったんですよね。
■今回子供たちの声も入っていますが。
OBS(大分放送)のスタジオに子供たちに来てもらって、マイク立てて。30人くらいだったかな。10年だから、最初に参加した子供たちは20歳になってて。それでグラーデーション的に、各世代の卒業生達が集まってくれて。
それで歌唱指導して歌ってもらいました。ラジカセで音を聞きながらね。それでみんなに言ったのはね「うまく歌おうとしなくてもいいから、とにかく100kmを歩いていた時を出来るだけ思い出してくれ」と。
「咲ける花」
竹内めぐみさんという方が書いた「咲かない花もあるんだよ。咲けない花もあるんだよ。咲けるはずなのに咲けないなんていわないで、お願いだから」という言葉があったんですよ。
それを読んで、どこか自分に言われてる気がしたんですよね。これはたぶん、読んだ人みんなが自分に言われてると思うだろうなって。
この言葉に出会った頃は「必要とされる曲を作りたい作りたい」って思ってたので、一人一人に訴えかける言葉だなって思って。
それで、その一文にメロディをつけて、その前後に流れを作ってメロディつけて曲にしちゃったんですよね。その後本人に「この一文とその前後に流れを作ってメロディをつけたんで、それに応えるように、そのメロディにあなたが言葉を付けてくれませんか?」ってお願いしたんです。それで詞がついて曲が完成したんですよ。
(つづく)