俺には物心ついてからの親友がいた。
いた、と表記するのも何か釈然としない。
かつてはとてつもなく大切で
こいつがいないと生きれない、というほどの人間だった。
実家のとなりの家で、小さな頃から悪さも良いことも
全て一緒に経験してきた、そんな仲だった。
学年は違うが、仲も良かった。
違うことと言えば、そいつはリア充
俺は非リアだったくらい。
子供の頃はずっと一緒にいたし、
お互いどう考えても「こいつが相棒!」って感じだった。
時が経つにつれ、だんだんと疎遠になった。
喧嘩をしたわけでもないし、仲も悪くなっていない。
今思うと、お互いのベクトルは全くあっていなかったわけだ。
いつのまにか、あんなに遊び倒した相手に気を使うようになっていた。
久しぶりに会うときも、会話を濁す。
何となく、距離は遠くなっていった。
先日、そんな友人が「籍を入れた」と報告しにきた。
なんとなくだが、嬉しかった。
やはり親友であることは変わりはない事実なのだから。
結婚を祝う気持ちは強い、他の誰よりも。
幸せになってほしい。
俺は俺でやりたいことがあるから
いつか昔交わした約束の「お互いの家族を交えてバーベキュー」はまだまだ叶いそうにないけれど
俺は俺で全力かまして頑張って行くから
奥さん幸せにしてほしい。
あの時の自分とは打って変わってしまった。
だが、それがなんだ。
人は変わり続けて行く。
良い方に。
その自分を受け入れることが大事でしかない。
いつかあの時みたいに笑えたら
それが一番幸せなのかもしれない。