キンモクセイ
香る木々の中で
一番好きな香りを持つキンモクセイ
息子ならくしゃみするだろうなぁ……
集中して作ることで
いっときはため息を止められる
休憩に入ると やはり息子のことが頭に浮かぶ
「今何作ってんの?」
優しく声をかけてくれてるのに
私は作業する手も止めずに
花のピアスだよ
と答えていた
時間が戻るなら
息子が生きてるなら
まだ私の後ろに立って作るところを見てくれるなら
花の名前たくさん教えてあげるのに…
取り返しがつかない
寂しさだけが押し寄せる
たあくん
お母さん、そっちに行きたい
もう何も後悔も未練もない…かな
毎日苦しくて胸の奥が
ぐーーっと縮こまるよ
苦しいんだ
どうしたらいいの?
いつまでも甘えんぼのお母さんでごめんね
おやすみなさい。