母さんが言った


たぁくんが亡くなったって

まだ信じられんとよね。


慣れない実家での暮らしで疲れた私は涙した。


でもね…


たぁくん、ばぁちゃんっ子だから 我が家でなく

ここですっかり馴染んでるんだよね…


現実、お寺は違えど拝むものは同じ


ただ、仏壇の横に写真が置いてあるのだけが

私の細かな神経に触る


そんなことは口にできず


たかは、旅に出たんだよ…

と、話を合わせてしまう


今どこ辺りだろう?


会いたいなぁ……


それだけが願い。


田舎ではやることが多くて、涙する時間もない


私には、ちょうどいい。



また家に帰れば、泣くんだろうな…

1人は嫌だ!


母さんに、私の寿命を授けたい。

がんを克服したものの、年齢もいってるから 

私より先にいくんだろうけど……


私は見送るのはもう嫌だ


神さま仏さまがいるのなら

私の寿命を母さんに分けてください!



そう言いたい。


9日は月命日。

田舎での月命日を行うことになる。


我が家の仏壇は、末っ子が守ってくれている。

ありがたい。感謝。



2022.10.3.