ラベンダー

わたしは 1人で行動することが苦手。


どこに行くにも、誰かと一緒でないと不安で

何もできない いわゆる 鬱病。


でも昨年の夏は違った。


一気奮闘したはずだった


子供4人居ても そのうち親から巣立つんだから
今のうちに1人で動けるようにしておこう!

ちょうどラベンダーの季節に入り
花を摘めるイベントが開催されていたから
数時間かかる道のりを
私だけで行ってみよう!と車を走らせた。

……娘の住んでいるところを過ぎたあたりで
不安に駆られた。

〇〇ちゃん、ラベンダー見に行かない?

娘いわく
 「お母さん、もしかして1人で行こうとしてたの?」

バレてた。

「何かあったらどうするの?……」

そうだよね。引き返す道のりの途中で
情けなくなったと同時に自分に腹が立ってきた。

結局、私一人では動けないことに
無性に腹が立った。

結局娘と行ったラベンダー畑は
見事なまでに咲き誇っていた。

そこではもう笑顔だった。
花は癒しをくれるから…

たくさんの花と帰途に着いた夕暮れ時は
とても綺麗な夕陽が真っ赤に燃えていた。

色が多い季節を満喫できた。

ラベンダーに浮かれていた頃。
息子は
アパートで1人で
亡くなっていたんだ……

孤独死をさせてしまったんだ…

花に罪はないけど
ラベンダーなんて大嫌い!!になった。

1年経つ今
息子の写真の前には
ラベンダーの花が1輪置いてある。

*ラベンダーの花言葉は「疑惑」「沈黙」
「あなたを待っています」「私に答えてください」「清潔」「期待」「優美」です。

この花言葉を調べてから ラベンダーを咲かせることにした。

あなたを待っています

息子からのメッセージだと思っています。

お母さんも、たあくんを待ってるよ。
私が手を伸ばしたら
絶対手を離さないでね。
その大きな手のひらで
お母さんの手を握りしめて離さないでね

息子に
会いたい!
ハグしたい!
取り乱してごめんね…

おやすみ。
たあくん。
今日は雨でお空が見えなかったけど
とても綺麗な夕陽が見えたよ。

2022.6.24.