犯罪者の中から選りすぐった連中を密告者に仕立て上げ、秘密裏に潜入捜査官として使うことを、スウェーデン警察は頻繁に行っていたようで、主人公のピートホフマンはそういう人物である。犯罪者上がりの潜入捜査官。
その出自の悪さを補うためか、家族への強い愛情と、妻と出会ってから自分がまるで別の人間になったというところが非常に強調されている。それが奏功し、ピートホフマンには大いに感情移入出来るし、非常に魅力的なキャラクターだ。
任務のために刑務所に潜入したホフマンだったが、警察上層部は、不都合が起こったため、彼を切り捨てる決断をする。彼が密告者であるという噂を刑務所内にばらまく。命を狙われたホフマンは、警備員を人質に取って立てこもる。
彼を助けられるのは、この事件に違和感を持つグレーンス警部ただ一人。ただ彼はホフマン射殺の指揮官でもある。何かがおかしいと感じながらも確証は得られず、ついに射殺命令を下す。1500メートルの狙撃。着弾まで約3秒。
警察のために命懸けで潜入捜査を続けたにも関わらず、上層部の保身のために、凶悪犯罪者という偽りの経歴を着せられたまま葬り去られようとしているホフマン。彼の素性に徐々に迫るグレーンス。これは巻を措く能わずだ。
続編を買う前に読み返してみたのだが、以前の印象通りに非常に面白かった。
