あるときはエンジニア、またあるときはゲージュツ家、そしてまたあるときはバス運転士、その実体は心理学者(臨床心理・人間科学)でもあるバス次郎のブログへようこそ!!
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こんにちは( ◠‿◠ )
今日はアルアルテーマです。このテーマも65記事めになります。
このテーマ意外と続いていてバス次郎もビックリです
さて今日の記事はバスの運転士なら誰でも経験している”回復運転”のお話しをしたいと思います。
”回復運転”とは渋滞や事故などにより到着時刻が予定時刻より大幅に遅れる可能性が生じた場合に遅れを最小にするための運転をいいます。
たとえば高速道路では通常80Km /hで走行しているところを90Km /h、100Km /hで走行することを言います。
多くのバス会社では回復運転は基本禁止にしていますが・・・。
バス次郎の経験をお話ししたいと思います。
東京発京都行きの深夜高速バスに乗務した時のことです。
東京23時発、京都着7時30分着予定の乗務でした。この日の便は8時間30分の行程で割と時間に余裕があって楽勝と思っていましたが東名高速道路の静岡で事故。名古屋までまだ150Km以上ある場所でした。京都までは300Km以上あります。
とても京都に朝7時30分に到着できる状態ではありません。
結果として50分の遅れで京都駅に到着しました。
しかし事故渋滞が終わった後は”回復運転”するしかありませんでした。
京都駅に少しでも早く到着させなければならないことで頭がいっぱいになっていました。
下の表はバス次郎が作った距離と速度による時間早見表です。
たとえば、あと距離が100Kmだったとして80Km /hで走行したらどれくらい時間がかかるか分かる表になっています。
この場合は1.25時間(75分)かかることがこの表からすぐにわかります。単位を分にする際は60を掛ければ分になります。
仮に京都まで残り300Kmだったとして通常80Km /hで走行した場合には225分かかります。それを回復運転して100Km /h で走行した場合の所要時間は180分ですからその差は45分。
逆に言えば回復運転しても理論上で45分しか短縮できなのですからいくら高速道路とは言え実際には30分短縮することさえ難しいのです。
この45分のために身を削りながらリスクを犯して回復運転しなければならないのは経験した運転士にしかわからないと思います。
大体いつも通っている道路であれば風景や自分で決めているランドマークなどを見れば通過時間が遅いのか早いのかすぐにわかります。遅ければ多少調整して次のランドマークポイントまでに時間を合わせるような運転をします。
ところが渋滞や事故が起きるとそんな些細な調整が出来なくなりますので運行計画にある到着予定時刻をすべてクリアにして再計算しなければなりません。これは貸切バスでも同じです。
道路渋滞が激しい場合には運行管理者に連絡した上で許可をもらい別経路で目的地まで行くこともあります。当然初めての道路だったりすることもある訳ですから下調べをして地名を覚えておく必要があります。
遅延が10分だったとしても遅れを挽回するために回復運転してもその10分を取り戻すのはかなり厳しいしリスクもあります。
僅かな時間と危険(リスク)を犯すことを天秤にかけたとき時間を優先することによる認知の遅れや判断ミスが生じる可能性は極めて高くなります。それが事故に繋がるということです。
運転士の”その時の感情”や間違った判断による事故はこういう心に思ったことが原因で事故につながっていくのです。
今日はこの辺で。
どうぞ、これからもよろしくお願いします。
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