バス運転士の運転日報と労働環境の「見える化」を阻害しているもの | バス次郎の徒然なるままに〜無意識の中のもう一人の自分〜

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あるときはエンジニア、またあるときはゲージュツ家、そしてまたあるときはバス運転士、その実体は心理学者(臨床心理・人間科学)でもあるバス次郎のブログへようこそ!!

(2021年2月10日 更新)

 

こんにちは。

 

今日は久しぶりに15時あがりだったのでブログを書きます。今日のテーマはバス運転士の運転日報と労働時間についてです。

 

 

以前、高速路線バスや貸切バスの運転士をしていたときの運転日報は細かかったです。

 

 

高速路線バスの場合、バス停(駅)までの区間の運行距離と区間の運行時間を書いていました。それを縦列で合計するとトータルの運行距離と運行時間を計算します。さらに待機時間も合計で計算するなど一箇所間違えると書き直し!!

 

 

貸切バスも同じような感じでした。以下はサンプルですが、だいたいこんな項目でA4縦のものでした。

 

路線になってからは、路線ごとに細かく運行時間が決められているため、書き方も停留所ごとに運行時間をメインに書くようになっています。距離は営業距離の合計と回送距離の合計を書くシンプルなものです。高速路線や貸切のときよりも日報作成は楽です。あと、ぼくの経験の中で法人タクシーの運転士の経験がありますが、このときは日報作成が超楽でした!

 

 

 

何故なら自動日報作成システムを取り入れていた会社でしたので、出庫から入庫までのすべてがデジタコ、GPS、ナビ、予約システムとすべてが連携されていたシステムでしたので手書きの日報のようなミスが起きませんでした。バス業界で自動日報システムを入れている会社は知りませんが、あるのかな?中途半端なディジタル化で運転士の労力が増えることのないようにして欲しいものです。タクシーで出来るのだからバスでもできそうな感じはしますよね?

 

 

 

すべてをディジタル化、あるいは「見える化」できない理由は運転士の労働時間の問題があります。バス運転士の拘束時間が切実な問題です。たとえば、ハンドル時間 6時間 + 中休5時間=拘束時間 11時間ですが、運転士の給料に反映されるのはハンドル時間とするバス会社が多いのが実情です。しかし、実際には拘束されている時間です。

 

 

 

貸切バスに至っては、待機時間が長くハンドル時間が短いのです。日帰りのツアーでもハンドル時間は5時間、待機4時間なんていうのはざらにあります。それと出庫時間が朝の7:00 だとすると、僕の場合は出庫の1時間前に営業所に入って出庫までの準備をしています。

 

 

 

点検、車内清掃、ダイヤの確認などを行います。多くのバス会社はだいたいこれらの時間を20分~30分としている会社が多いと思います。なので、30分~40分は無給なのです。

 

 

ディジタル化、あるいはシステム化によって「見える化」が進まないのはバス業界特有の働きか方に原因があるのです。「働き方改革」が話題になっていますが、バス業界はどこも似たり寄ったりの環境だと思います。

 

 

安全・安心を考えるのであれば、労働環境そのものをもう少し考えて頂きたいものだと思います。

 

 

 

今日はこのへんで。

どうぞ、これからもよろしくお願いします。