熊本日日新聞社の医療QQに「ことばの点滴」という連載がある。
11月21日付はこの記事だった。
「
事業仕分けと漢方薬」
上記記事より一部引用。
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日本医師会も、事業仕分けのワーキンググループに医療関係者、患者代表が入っていないと指摘。保険が利かなければ、「患者の受診抑制を進めてしまう」と懸念を示している。
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また、こんな資料もある。(PDFファイル)
崖っぷち日本の医療、必ず救う!(民主党医療政策の考え方)(民主党HPトップ→政策→厚生労働で進むとあります)
この最後のページから一部引用。
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漢方、健康補助食品やハーブ療法、食餌療法、あんま・マッサージ・指圧、鍼灸、柔道整復、音楽療法といった相補・代替医療について、予防の観点から、統合医療として科学的根拠を確立します。
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最初の引用記事には、民間人の中に医療関係者が入っていないと明記されている。
どんな人が仕分けをしたのだろう。
調べるのが手間なのでそこまでできないけれど、見直し対象となってしまった漢方薬や
湿布などに関して、医学的に明確な根拠があって決めたわけではない?と感じさせる。
次に引用した医療政策に「予防の観点から」とあるので漢方薬などは治療ではなく、
いわゆる未病状態の時に使うと認識されているらしい。
そうすると、「漢方薬や湿布は予防的に使用するから保険で賄う必要はない」とか
そういった流れで仕分けが行なわれたのだろうか。
そんな風に思ってしまう。
少なくとも、人は具合がわるいから病院に行き、患者がなんらかの症状を医師に
訴えており、医師の診察・判断によって症状緩和・治癒に向けて処方されたもの、
とはまるで想像していただけなかったのだろうか。
湿布にしても、腰や肩などが痛いと病院に行き診察を受けて処方されるわけで、
市販の湿布を、肩が凝ったから、ふくらはぎがぱんぱんだから買ってとりあえず
貼るのとは意味合いが違う。
自分自身ここ何年も湿布のお世話になっている。はっきりいって手放せない。
これがもし保険適用されなくなったら、市販の湿布を買わざるをえなくなるだろう。
病院に行く前は市販の湿布を使っていたけれど、経済的にやさしくない。
何よりも、効いた感じがほとんどなかった。
ごく軽い凝りなどを和らげる程度の効果しかないんじゃないかと思ったくらいだ。
病院での湿布を使用するようになってからはより強くそう感じるようになった。
見た目で提示できないのが残念だけれど、そのくらい違う。
漢方薬も湿布も、病院で処方されるものと全く同じ成分・効用があるのであれば
まだわからなくもない。
ただそうすると、医師が処方するくらいの薬を市販していていいのだろうかという
素朴な疑問がわく。
特に漢方薬は気軽に飲むものではないと思っているし、他になにか服用していたら
飲み合わせは大丈夫だろうかと素人でも気になる。
事業仕分け自体は否定しない。でもなぜ漢方薬や湿布が標的にされたのか疑問だ。
乱暴にいってしまえば、では市販されている薬があるものは病院で処方する必要は
ないということになってしまう。
最近少し認知度が上がってきた過敏性腸症候群。一応市販薬がある。
でも、過敏性腸症候群はひどい便意だけが症状ではない。
風邪薬。これも市販されている。
ただの風邪だと思って市販の薬だけですませていたら実は重大な病気だった。
全くありえない話ではない。
素人判断ほどこわいものはないことを、事業仕分けで「見直し」と決定した方々は
ご存知だろうか。
何もオチがないけれど、一患者のつぶやきでした。