労災認定について2点。
1.22日に判決の出た過労死裁判より。
海外出張原因の過労死認定=エプソン元社員側逆転勝訴-東京高裁(時事通信) - goo ニュース
「海外出張重なり過労死」 残業短くても労災認める判決(朝日新聞)
5月22日付時事通信より裁判長のコメントを。
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青柳馨裁判長は「連続した海外出張で精神的、肉体的な疲労が蓄積しており、発症と
業務の間には因果関係がある」と認定。死亡前の1カ月当たり時間外労働時間は
30時間未満だったが、「長時間の移動を余儀なくされ、食事や睡眠も不規則だった」
と指摘した。
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前1ヶ月の残業時間が45時間未満であれば過労死認定からそもそもはずれてしまう。
地裁では認定しない方向での判決が出ていたけれど、高裁でそれがひっくり返った。
その理由が、単に残業時間だけで切るのではなく、直近10ヶ月で約180日という
海外出張の多さや海外での仕事(生活面も含めたといえる)も加味されて判断に
繋がったとみることができると思う。
TVニュースでご遺族が、「認定されることによって、少しでも過労死や過労自殺が
減ることを願っている」といった趣旨の発言をされていた記憶があるけれど、
自分もそれを願っている。
それにしても裁判まで持ち込み、何年もがんばってこられたご遺族には頭が下がる。
2.2007年度の集計結果より。
過労自殺は最多81人=「労働時間短くても危険」-脳・心臓病死も高水準・厚労省(時事通信) - goo ニュース
ちなみに、5月24日付の日本経済新聞記事には、「過労自殺81人 過去最悪」の見出しで
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〇七年度の精神疾患の労災申請は前年度比一六.二%増の九百五十二人。
一方、脳・心臓疾患の申請は同0.七%減の九百三十一人で、調査開始以来初めて
過労による精神疾患の申請が脳・心臓疾患を上回った。
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とある。
952人の申請に対しての81人の認定だから厳しいことに変わりはない。
しかも、新聞やニュースで取り上げられる労災といえば、主に過労死やうつ、それに
労災隠しや指導が入った時が多い気がする。
ニュース性・インパクトといった面で考えればメディアとしては妥当なんだろう。
それ以上の数字を知りたければ自分で探すしかないのだけれど、認定者数一覧は
探すことはできても、申請者数というのは見つけられない。
952人という数字も新聞に記載があったからわかったものの、ネットニュースで
見ようと思ったら見つからないのかもしれない。
頸肩腕症候群をはじめとする上肢障害での申請はたぶん非常に少ない部類なのだろう。
認定ともなるとさらに少ないと思われる。だから日が当たらないのだろう。
そもそも上肢障害で労災申請するという意識がないのかもしれないし、自分がその
対象疾患だということを知らない人もいるかもしれない。
少なくとも、新聞やTV・ネットニュースで見られる労災だけが、労災の全てでは
ないことは申し上げておきたい。
小さな声ではあるけれど何もいわないよりはましかと思い、ついでに書いてしまった。
労災について心配しなくてもいいような社会になってほしいと願いつつ。
1.22日に判決の出た過労死裁判より。
海外出張原因の過労死認定=エプソン元社員側逆転勝訴-東京高裁(時事通信) - goo ニュース
「海外出張重なり過労死」 残業短くても労災認める判決(朝日新聞)
5月22日付時事通信より裁判長のコメントを。
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青柳馨裁判長は「連続した海外出張で精神的、肉体的な疲労が蓄積しており、発症と
業務の間には因果関係がある」と認定。死亡前の1カ月当たり時間外労働時間は
30時間未満だったが、「長時間の移動を余儀なくされ、食事や睡眠も不規則だった」
と指摘した。
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前1ヶ月の残業時間が45時間未満であれば過労死認定からそもそもはずれてしまう。
地裁では認定しない方向での判決が出ていたけれど、高裁でそれがひっくり返った。
その理由が、単に残業時間だけで切るのではなく、直近10ヶ月で約180日という
海外出張の多さや海外での仕事(生活面も含めたといえる)も加味されて判断に
繋がったとみることができると思う。
TVニュースでご遺族が、「認定されることによって、少しでも過労死や過労自殺が
減ることを願っている」といった趣旨の発言をされていた記憶があるけれど、
自分もそれを願っている。
それにしても裁判まで持ち込み、何年もがんばってこられたご遺族には頭が下がる。
2.2007年度の集計結果より。
過労自殺は最多81人=「労働時間短くても危険」-脳・心臓病死も高水準・厚労省(時事通信) - goo ニュース
ちなみに、5月24日付の日本経済新聞記事には、「過労自殺81人 過去最悪」の見出しで
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〇七年度の精神疾患の労災申請は前年度比一六.二%増の九百五十二人。
一方、脳・心臓疾患の申請は同0.七%減の九百三十一人で、調査開始以来初めて
過労による精神疾患の申請が脳・心臓疾患を上回った。
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とある。
952人の申請に対しての81人の認定だから厳しいことに変わりはない。
しかも、新聞やニュースで取り上げられる労災といえば、主に過労死やうつ、それに
労災隠しや指導が入った時が多い気がする。
ニュース性・インパクトといった面で考えればメディアとしては妥当なんだろう。
それ以上の数字を知りたければ自分で探すしかないのだけれど、認定者数一覧は
探すことはできても、申請者数というのは見つけられない。
952人という数字も新聞に記載があったからわかったものの、ネットニュースで
見ようと思ったら見つからないのかもしれない。
頸肩腕症候群をはじめとする上肢障害での申請はたぶん非常に少ない部類なのだろう。
認定ともなるとさらに少ないと思われる。だから日が当たらないのだろう。
そもそも上肢障害で労災申請するという意識がないのかもしれないし、自分がその
対象疾患だということを知らない人もいるかもしれない。
少なくとも、新聞やTV・ネットニュースで見られる労災だけが、労災の全てでは
ないことは申し上げておきたい。
小さな声ではあるけれど何もいわないよりはましかと思い、ついでに書いてしまった。
労災について心配しなくてもいいような社会になってほしいと願いつつ。